「美少女マンガ創世記」合わせて読んでほし...
TOP
C87「お品書き」&その他!

2014
今年最後の大新創刊「COIMIC バベル」
Check
ども、稀見理都です。

もうすぐコミケで、皆様もいろいろとお忙しい時期だとお思いますが、エロマンガ界今年最後のビッグニュースが入ってきたので、これは一大事。さっそく取材を行ってきました。

出版業界は依然厳し状態が続いているという話をよく耳にしますが、いやそんなことはないぞと言わんばかりに、最後の最後にビッグなエロマンガ雑誌が新創刊される事になりました。

その名も「コミック バベル」(発行:文苑堂)というエロ漫画界の頂点へと登りつめようかというタイトルの書店向けエロマンガ雑誌が創刊されたのです!

いったいどういう経緯でこの雑誌が立ちあがったのか? 編集部の方にお話を伺ったので、その部分も含めてご紹介いたしますね。

「COMIC バベル 2015年2月創刊号」(文苑堂)




発行元は「文苑堂」さんになります。

ぶんえんどう? え、あの取次の「文苑堂」!と気づかれる方は、そうとうのエロマンガ通か業界人は間違いないし(笑) 決して、書店の方の「文苑堂書店」と混同しないこと!(別会社です)

文苑堂さんと言えば、今年は取次会社としては初めての成年向け雑誌「COMIC エウロパ」を創刊させている、今エロ漫画界に新しい波を起こそうとしている出版兼取次会社!
「COMIC エウロパ 2015年1月号」(文苑堂)



さて、新創刊された「COMIC バベル」ですが、作家さんのラインナップを見てみると…

しおこんぶ/芹沢/げげら俊和/ゲンツキ/武田あらのぶ/丸和太郎/美矢火/はるきち/宏式/終焉/朝峰テル/猫モード/ぬくぬく/にくたま/なかに/牧だいきち/伊藤屋/魚野シノメ/伴カズヤス/INAGO/桑柘木

と、大ボリュームのそうそうたるメンバー。だが、どこかで見たラインナップだな〜と…

そう、このラインナップで気づかれた方は、さらにエロマンガ通!(今日2回目)
バベルの作家陣の多くは、今年の11月に突如休刊になってしまった、若生出版の「COMIC プルメロ」で描かれていた作家さん達なのです。

「COMIC プルメロ 2014年11月休刊号」(若生出版)


察しのいい方ならもうお気づきですね。そうです「COMIC バベル」は「COMIC プルメロ」の事実上の後継誌になるのです。

しかしただの後継誌ではありません。プルメロが、コンビニ売りの中綴じグレーゾーン誌だったのに比べ、バベルは書店売り「18禁マーク入り」、平綴じでボリュームもアップしたエロもグレードアップバージョンでの再出発となるのです。(ただし今のところ各月刊誌です)

でも、プルメロは若生出版、バベルは文苑堂ですよね? 出版社を越えた後継誌ってあるの?と思う方がいるかもしれませんが、実はこの業界ではそこそこ発生している事案ではあります。最近では「COMIC舞姫無双」(ブレインハウス)が富士美出版に異動しました。

とは言え、何故プルメロが予告無しで休刊してしまい、かつ別出版社で後継誌が創刊されたのかは気になるところです。その辺の経緯を中の人に伺ってきました。その経緯を簡単に説明しますと、以下のような理由があったそうです。
(以下の経緯は、掲載の許可を頂いています)


■コミック部門は採算がとれていた…にもかかわらず

若生出版の「COMIC プルメロ」は、今年の11月号を持って休刊になってしまいましたが、雑誌には予告も載っている状態での休刊と言うことで、本当に突然の決定だったことがわかります。
(しかも、この号でデビューされた方もいたので、いろんな意味で衝撃が…)

休刊の理由は簡単に言えば、会社全体の業績不振による事業縮小によるもので、その煽りを受けたのがコミック部門だったという事になります。
「プルメロ」だけではなく「グラギャルDEEP」「Madonna HOUSE」「パシャ!」「COMICび~た」も実は休刊になっています。

この時勢、アダルト系出版社の売上状況は厳しいとは聞きますが、やはり事業を続けていくために規模を縮小させるという手段を選ばざるを得ないと言うことでしょうか? そういう時に煽りを受けるのが採算がとれていない部門だったりするのですが… でも、今回は違ったようです。

実は「プルメロ」はそんな業績が不振であった若生出版の雑誌類のなかでも、むしろ好調であった雑誌だったのです。

会社に貢献していた編集部であったにもかかわらず、休刊と編集部員全員の解雇という状況になってしまったとのことです。

売れ行きが不調であったならまだしも、好調なのに休刊&解雇という事態は編集そして作家、読者とも納得できるものではなく、ただただ無念と言うしかありません。

そんな怨念にも似た想いが、「プルメロの精神はまだ燃え尽きては居ない! 不死鳥のように蘇ってやる!」という執念へと変わり、業界に働きかけ編集部&作家を受け入れてくれて、後継誌を発行してくれる出版社を探していたところ、条件的に一番よかった文苑堂さんにて、パワーアップした「COMIC バベル」を新創刊させることが出来たと…。

ただ、中の人はこうも言っていらっしゃいました…

今まで通りのプルメロではダメだ。今までよりさらにエロにも漫画にもこだわった、良質な作品を作って行かねばならない!

その気持ちが、今日発行された「COMIC バベル」に詰まっているはずです。その気持ちの表れか、バベルは創刊号にして、増刊ではなく独立した雑誌コードを持っているれっきとした(隔)月刊誌なのです!!

さあ、皆さんもさっそく書店に向かしましょう〜( ´ ▽ ` )ノ


■せっかくので「プルメロ」の歴史をざっと…

せっかく「プルメロ」の話も出たので、復習も含めて「プルメロ」とはどういう雑誌だったのかを軽くふり返ってみましょう。

プルメロが創刊されたのは、2006年8月のこと。若生出版初の本格派美少女コミック誌として誕生しました。

「COMIC プルメロ 2006年8月創刊号」(若生出版)


創刊当時は、「カルビパワー」の増刊としての創刊でしたが、2009年に独立創刊を果たします。

「COMIC プルメロ 2009年10月独立創刊号」(若生出版)


創刊号には「ぷるぷるメロン乳」という巨乳を売りにするかのようなコピーがあり、かつこのコピーが雑誌名の由来になったような印象がありますが、どうなんでしょうか?(笑)

作家陣もLINDA、宇宙帝王、終焉、シロタクロタ、恩田ちろ先生などとパワー布陣ですが、そのなかに思わず二度見してしまう作家さんの名前が…

そう「ひろもりしのぶ」先生です。

今日何回も言ってますが、40歳以上のエロマンガ通なら泣いて喜ぶ、あのひろもりしのぶ先生です。

「がんばれ!ユミちゃん」(ひろもりしのぶ)


そうです、別名みやす○んき先生のエロマンガ家ペンネーム?といえば、わかってもらえる人も少しは増えたでしょうか(笑)
ひろもりしのぶ名義でエロマンガを描かれたのって、漫画ブリッコ以来では?と思うぐらい久しぶり。というか、マークが付いてから美少女コミック誌で、みや○のんき先生を起用したのは、プルメロ以外にはないのでは?

「オトナなんかだいっきらい!!」(著:ひろもりしのぶ 発行:白夜書房 83年)


ここは是非とも、バベルにも召還していただきたい作家さんです(笑)

若生出版さんと言えば、雑誌全体のコンセプトにマンガと実写の融合を掲げていた、ちょっと独自路線があった出版社でした。(今でもそうですが)

マンガと実写の融合って?

体験レポなどのをコミカライズして雑誌にしたりするものが多かったんですが、全部マンガがではなく、要所要所に実写を差し込んでくる手法なんです。

どういうのものというと…

「COMIN 蜜漫 2009年4月号」


コミックと実写の融合!


こんな感じに、実写がコマに入ってく手法で、若生出版さんのお家芸のような手法なんですが、この場合原稿料ってどうなるんでしょうね? 教えて中の人!(笑)

融合はこれだけでは収まりません。

なんと、同社で発行していた「プルメロ」と「マジスカJK」の同じ月号で実写と2次元のコラボ表紙なども行って話題になりました!

実写と2次元コラボ! 究極のシンクロだ!


当時ネットで、トレース疑惑なんかが出るという話題にもなりましたが、これは公認のトレース?というか、同じ出版社内の企画として行った訳なので、何の問題もないわけです(笑)

しかし、この独自の融合路線があまり功を奏しなかったのか、雑誌部門の不調が増していったようなのはちょっと残念ですね。

若生さんと言えば、実は一番歴史のあったコミック誌「COMIC び〜た」も休刊になってしまいました。

「COMIC び〜た」の創刊は1997年。さりげなく17年も続いていた雑誌だったので、こちらも残念で仕方ありません。しかし、「び〜た」ってなんでこんな名前なの? と思われた方も居るかもしれません。

それは、この雑誌の創刊号を見れば一目瞭然なのです。

「COMIC び〜た」の創刊号と休刊号


創刊号のコピーに「男の旅コミック」という文字があります。そうです。「旅」「たび」「びた」「び〜た」なのです(笑)

創刊当時は、旅をコンセプトにした、ちょっとHな旅4コマコミック雑誌だったのが、17年の時を経てJK実写融合コミック誌へと変貌を遂げていたのです。
ただ、誌名だけ創刊当時の名残があると言うことですね。

いや〜「どうしてこうなった!?」といういい例の雑誌ではありますが、実はこういう例は他にもあったりしますが、今回はその辺は割愛と言うことで(笑)

というわけで、「プルメロ」というか若生出版のちょっとした復習でしたが、これを踏まえて、そん創刊の「バベル」には筆者もとても期待しています! あまりにも勢いが出すぎて神罰を受けないよう、今のエロ漫画界を牽引して行ってもらえればと思っています! 仮に休刊してもバベル2世として復活を(爆)

最後に、懐かしの「プルメロ」グラフティーを。全94冊! バベルがこの巻数を引き継いだとしたら、5月号が通巻100号になるはず( ´ ▽ ` )ノ

プルメログラフティー! 創刊から全94冊の表紙を一挙公開



 
0 ero

「美少女マンガ創世記」合わせて読んでほし...
TOP
C87「お品書き」&その他!