「女だらけのヨネケン(米倉けんご)座談会...
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Vol.2も熱い(厚い)よ!!

2009
「女だらけのヨネケン(米倉けんご)座談会」その2
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さて、能書きは控えめに、とにかく「女だらけの ヨネケン座談会」の続きです!
もし、まだ(その1)を読んでない方がいましたら、まずは(その1)から!

「女だらけのヨネケン(米倉けんご)座談会」その1

そして、とりあえず参加者のプロフィールから!!

メンバー1
とりこ
米倉さんファン歴「だけ」は恐らく誇れるくらいの一腐女子(年齢的には 貴腐人ですが...)です。女装男子には、是非はみ出るくらい小さめの女性 用下着を着用して頂きたい所存。
メンバー2
Hori
同人には疎いのですが、エロ広く一般(笑)を愛しています。 社会人としての生活のほかに、マンガについて考えたり書いたりも。 今回は参加できてホントに楽しかったです。 エロ話をする機会がなかな かないんで嬉しかったし、「そんな見方もあるのか」と新
たな発見も。 とにかく、みなさまお疲れ様でした&またお会いできる ことを楽しみにしています。 企画者の稀見理都さんにも多謝!
メンバー3
わたみ
漫画のアシスタントしたり、同人でお話書いたりしてます。 BLにはちょっと疎いのですが、ヨネケンさんの男性向けコミック、特に 「ピンクスナイパー」の春菜さんが大好き。座談会での「ヨネケンは ジャンルだ!」は今回気付いた真実であり、皆さんのヨネケンさんへの 深い愛を感じた名言だと思います! 参加させてもらえてとっても楽し かったです、皆さんどうもありがとうございました~。
メンバー4
えくと
趣味でマンガとかを描いています~。ヨネケン歴は一番少ないけど、諸 先輩方のご意見が聞けるのをすっごく楽しみにしてました(笑) 若輩者ですが、よろしくお願いいたします~~ !


■好きな本、キャラクターなど…

稀見
じゃあ、わかりやすいところで『一番好きな本』と『一番好きなキャラクター』を、それぞれよろしいですか?
とりこ
商業誌のほうでってことですよね?
稀見
そうですね。出来れば資料があるなかでお願いします(^_^;
とりこ
やっぱでも『ピンクスナイパー』ですかね。で、神戸君が好きです。
えくと
すごい好きです!
Hori
かっこいいですよね!
稀見
神戸君の魅力は、いわゆるちょっと悪系?なに?
とりこ
シンバよりは神戸君の方が好きかも。
稀見
シンバ派と神戸派は分かれるかも?
とりこ
だから同人誌で神戸×シンバがあった時は…ちょっと。
えくと
あれはよかったですよね!
とりこ
うん!…んふふふ(笑)
えくと
アレは、ホント萌えました。
うわーキター!と思って…

同人誌「PINKSNIPER maniax」より 神戸xシンバ


稀見
あれはBL読みしてる人には夢のような…夢のタッグ!
とりこ
描いてくれた!みたいな(笑)
Hori
よくぞ!
とりこ
神戸×シンバ。キター!みたいな。ちょっとありましたね。
稀見
魅力はなんですか?神戸君の。
とりこ
見た目も好きなんですけど、うーん、やっぱ、悪っぽいところかなあ?
稀見
そう、悪っぽい男がイイっていうのはありますよね!
とりこ
BLの話になっちゃうんですけど、私どっちかっていうと受けと攻めだったら攻めのほう好きになる傾向があるんですよね。でも、どっちかっていうとシンバって男性、春菜先生の時も受け身のことが多いじゃないですか~。
稀見
ヘタレ受けですもんね!
とりこ
男なのに…。別にイヤだっていうわけじゃないんですけど!
稀見
BLにすると神戸君の方が攻め気質…。
とりこ
そうですねー。だからもし米倉さんがスピンオフの形で同人誌で神戸×シンバ描かなかったとしても、もしかしたらどっかで自分の中でそういう妄想はたぶんしてたと思います。
稀見
たぶん神戸派多いと思いますよ。
とりこ
女性のファンだと多いかもしれない。
Hori
うん、たぶん!
稀見
ヨネケンの一つのフェチである、いわゆる『女装』はどうですか?
シンバの女装とか…。
とりこ
ま、女体化と言っても良いかも…。
稀見
最近の「男の娘」ブームというか…。先取りしてる感じがありますよね。

自分の女装姿に興奮する新葉


わたみ
女装子ちゃん、そうですよね。
とりこ
これって、どれぐらい前のでしたっけ?
稀見
2002年ですね。もう7年前ですよ。
Hori
すごいなー!
わたみ
かなり先取りしてますよね。だってまだ女装子ちゃんっていう言葉が無い頃…。もう既に。
稀見
この頃女性上位でここまでやる作家さんって…。
Hori
なかった!
わたみ
すごい新鮮ですよね。
稀見
年上、お姉さん系が増えた。向こうがリードしてくれるっていう。経験豊富な人がリードしてくれるっていう、こっちは何もしなくてもいいみたいな。男としては楽な展開、設定が増えてる感じはしますね。こっちは完全に関係性の女性上位なんで、また違うとは思うんですけど。
わたみ
そうですよね、シンバは抵抗してますもんね、最初めちゃくちゃね。
稀見
それが折れるのが楽しい!!
わたみ
そうそう、墜ちた!とかね!
稀見
Horiさんは?
Hori
私はね、白井兄妹がすごい好きなんですけど…。
とりこ
『恋愛専科』?

「私立星之端学園恋愛専科 」(メディアックス)


Hori
『恋愛専科』です!そうそう!
これの白井兄妹が…冬美ちゃん?妹が可愛くって…。これ、ずいぶん前の作品だけど、すごい大好きですね。兄妹物で近親相姦ネタでちょっとダークな、悲しい家庭環境のお話とかもあるねんけど、基本的には、バカップルで兄妹物だと『エヴァーグリーン』もありますけど、こっちのほうが突き抜けてる!
で、『ドッグスタイル』はほとんど、そういう結構ヘヴィーな兄妹ものが多くて、最初の方はすごい近親相姦多かったんかなぁ…?
稀見
近親相姦多いですね。ヨネケンの一つのテイストで、近親相姦ってのはかなり初期の頃は多かった!
Hori
ねー!で、それで近親相姦ものネタすごい好きやって、で、なおかつ二人だけじゃなくて、結構乱交っぽいことも多くて、『ピンクスナイパー』もそうだけど複数でするじゃないですか…それがなんか、あっけらかんとしててエロくて、大好きですね!
稀見
関係ないですけど、眼鏡男子が多いですよね?
一同:あーw
稀見
たいていヘタレは眼鏡男子ですよねw
わたみ
『淫笑う看護婦』でも出てきますね。
稀見
では、わたみさんは?
わたみ
『ピンクスナイパー』ですね、これが一番好きです。シンバが嫌がってるところが好きですね。
稀見
シンバは…とにかく色んな風にいじられますからね。
わたみ
そうですねー。私はどっちかっていうと、男キャラっていうより完全にこのヨネケンさんの眼鏡かけたお姉さんキャラが好きなんですよ。『淫笑う看護婦』もそうだし、春菜さんもそうだし…が好きです。

「淫笑う看護婦」(コアマガジン)


稀見
こういう黒ストッキングが似合う女性キャラってのはやっぱり。
わたみ
そう!ひとことで言うと男前なんですよ!
稀見
看護婦の方もね…こっちは白ですけど…!
わたみ
そうそうそう!つまりビッチキャラですね。それをもう2002年ぐらいに具現して描いてるっていう、それがすごい。完全にもう流行の先取りですよね。

今はそういうふうにAVでも男の人が女の人にアレコレされて楽っていうか人妻ブーム・熟女ブームもあったみたいに、やっぱりその若い女の子相手だと男の人がリードしないといけないから大変なんだけど、やっぱり人妻とかお姉さんだったら自分もちょっとダメな、自分でも受け入れてくれるっていうような…そういうのがあるんですけど、これとはちょっと違いますよね。

人妻熟女もぼの優しいお姉さんじゃなくて、ちょっと怖いお姉さんなんですよ、男前なカッコイイ…。
稀見
包み込んでくれるタイプではないですよね。
とりこ
母性ではない!
わたみ
そうそう!SMっぽいっていうか…。シンバは普通にヘタレ系ですけど…。とにかく攻めて攻めて攻めまくるっていうね。
で、泣き顔を見て悦ぶっていう。そんなエクスタシーのマンガが今まであっただろうか、いやない!反語。みたいな(笑)
一同:(一同笑い)
わたみ
それですね(笑)だからニュータイプだと思うんですよ。女性上位のなかでもかなり。だからこの『ピンクスナイパー』がすごくウケたと思うし。理想像のひとつの形なのかなって思いますね。

特に今男性と女性の性があまり男らしい女らしいっていうのが戦後みたいな感じで言われなくなってきたから、逆に男の人も安心してボーイズ物も読めたり女装も出来たりして、で女の人も男の後ろを三歩下がって付いて歩くみたいなことはしなくてよくなったんで、逆にその性の逆転みたいなのが起きてるんじゃないかって思ったんですよ。

その時に2002年でこれを描いてた!しかも普通に優しいお姉さんっていうパターンは今までにもあったけど、そうじゃなくて強いお姉さんカッコイイお姉さん。踏みつけてむちゃくちゃにして壊して、で最後ヨシヨシってやったりする。その辺がキャラクターがすごいなっていうのと、やっぱりヨネケンさんの女性キャラのベースになってるんじゃないかな…。というところで好きですね。はい。
とりこ
確かに「泣き顔を見たい!」って言ってる女性のキャラクターっていないですよね。
わたみ
そう!そうなんですよね!女性で男をいじめていいのかっていう…そういうのを描いちゃったってところがいいですよね。
稀見
どこだっけな、シンバがもうすごい泣き顔になるところあるじゃないですか。
とりこ
で、きゅぅうう~んってなるところがいいですよね(笑)

泣き顔の新葉。ピンクスナイパーより


わたみ
あの時に不覚にもカワイイ!って思っちゃうところがね。
稀見
いままで男性作家がこういう顔を描くことは絶対なかったですよ。
わたみ
男であえぎ声出しちゃいけないみたいな、そういう男らしくしなきゃいけないって意識ってたぶん男の人持ってると思うんですけど、安心して女になっていいよっていう、安心して女の人に身を委ねて感じていいんだよみたいな、それをリードしてくれてる。名作ですね!
とりこ
あー…うんうん。
稀見
読んでてビックリしたんですけど、シンバがサンドイッチされちゃうじゃないですか。
一同:うんうん!
稀見
ようするに男性作家がこれ描こうと思ったら、結構勇気がいるっていうか…。
わたみ
そうですね、普通は攻める方が男だっていう…。
稀見
シンバがお尻を奪われちゃうわけですからね。
とりこ
そうですね、こういう形の3Pって描かない。想像しないですよね。
稀見
これは男性作家だったら勇気がいるカット。でもまあ女性作家だし、これを描いても全然かまわないし、このキャラクターだから全然許せるっていうものを描いたってのは、すごいな…と。ショタではよくありがちなんですけど、このレベルでやるってのは少なかったと思うんです。なので、これはすごいのを描く人だなって思って、すごい印象的でしたね。

では、えくとさん、どうぞ(笑)
えくと
そうですね、さっきもちょっと上がりましたけど、『ピンクスナイパー』の神戸くんが…好きです。もちろん悪っぽいところも良いんですけど、あとで…チビ子ちゃんでしたっけ?彼女が好きになって、彼女のために体を変えようとしたじゃないですか。そのところがなんか「いじらしいな♪」みたいな…。そういうところが好きかも。これは完全に、女性視点なんだと思います。
稀見
そうですね、少女マンガ視点ですね。
えくと
そうそうそう。あと同じような少女マンガ視点で好きなのが『イエローハーツ』の鉄人(てつひと)くん。

「イエローハーツ」鉄人(てつひと)


一同:あ~~!
えくと
ちょっとこう…。母性をくすぐるような。あの子がすごい好きでした。なんかすごい普段は強そうなんだけど、めぐみさんの前だけでは甘えちゃうみたいな。あ~可愛いな~~甘えて欲しいな~~みたいな、そんな。そんな感じです。すごいアッサリしてすいません(笑)


■「ヨネケン」作品の魅力!

稀見
では、ヨネケンの魅力について話し合ってみましょう!
とりこ
うーん、ジャンルがっていうとこじゃないんですけど、私が米倉さんの好きなところは全体的に絵が好きなのもあるので…。やっぱオシャレじゃないですか、ご本人もすごいオシャレなんですけど。こういうブーツをちゃんと描いてたりとか、靴ちゃんと描いてたり、ギターもちゃんと描いてたり…。
稀見
ヨネケンさんって確か専門学校で学ばれていましたよね、被服科でしたっけ?。
Hori
文服ですよね。
稀見
だからやっぱり服とか、ファッションにはすごいこだわりがあるんじゃないですか?
Hori
うんうん、すごい…。
とりこ
テキトーに描いてないじゃないですか、全部。だからそれは、すごいなーといつも思ってますね。
Hori
ギターの形とかがすごいカッコ良かった。
とりこ
あれですよね。HIDEモデルなんですよね。

X JAPAN の故HIDEが愛用していたレプリカギター


Hori
デッサン狂う人が多いのに、楽器とかって。そういうのもすごい…。
稀見
好きな物に関しては妥協せずにしっかり描き込みますよね。好きな故に妥協できない。
とりこ
ライブシーンとか、すごい臨場感ありましたよね。
稀見
まさにライブを感じた人じゃないと描けない。
とりこ
行った人じゃないとわかんない空気感みたいな。
稀見
私はあまり行ったことないんですけど、狭さと暗さと、その中にあるエネルギーみたいなものが、すごい上手く表現できてるなって…。
Hori
確かに楽屋とかはこういう感じだし…。
とりこ
そうですよね!こう…ペッタペタに貼ってありますよね。

ライブ会場の楽屋の雰囲気がリアル


稀見
一度でもそういう、同じようなことを経験してる人は、これ読んだらものすごい共感できるんじゃないかと…。
Hori
やっぱり、嘘っぽくないっていう。
とりこ
そうなんですよねー。
Hori
そういう舞台を持って来たっていうよりも、ホントにそこでこういうことが生まれてそうっていう…。
とりこ
だからその資料だけを集めて描いてるんじゃなくってっていう。
Hori
ここらへんとかね、クロックワークとか、キューブリックの映画のポスターが貼ってあったりとか。

「時計仕掛けのオレンジ」のポスター


とりこ
アイちゃんがお風呂に入ってるイラストが、俯瞰で上から見た扉絵。まわりに置いてある小物がすごいいっぱい置いてあるんですけど、なんか全部ちゃんとこう見てくとすっごい細かいんですよ。
そういうところが私は一番好きです。内容とかじゃないですけど(笑)

細かい所までしっかり世界観を描き込む、ヨネケンワールド


稀見
そうですね、絵の魅力も十分語る価値があります!
Hori
そういう小物とかをきっちり描いてあるっていうのは、それを1つ1つ見ていったら、よけいこうキャラが立ってくる…。
とりこ
そうなんですよ。
Hori
だから、すごい細かく設定されているっていうのがわかるし、靴とかもね~かわいい~~。
とりこ
マーチンの紐ちゃんと描いてる!っていうのが…。
Hori
そうそうそうそう! ラバーソールのここのラバーもね!これ!こういうのね!
とりこ
そうそう!そうなんですよ!
稀見
絵描きから見てどうですか?
えくと
いやーデッサンすごい整ってるし、すごいキレイだと思いますよ。絵描きというならわたみさんも…。
わたみ
確かに素晴らしい絵ですね。とにかくもう背景もすごいですし。
えくと
そう、背景すごいですよね。
わたみ
背景をすごいこだわってらっしゃるなーっていうのもあるし、あとキャラクターが、魅力的。キャラクターが…絵だけじゃなく中身も描けてる。そうそうそう。その辺がクオリティ高いですよね。
えくと
たまに人数が増えてくると、描き分けがわからない時があったりしますけど、でもみんな魅力的ですし、だんだんわかってきますし、見てるうちに。
わたみ
絵の魅力で言ったら、「エロと暴力」みたいな、バイオレンス…。さっきおっしゃってました『イエローハーツ』とかそこらへんの…やっぱそうですね、暴力がエロのなかにバイオレンスとして入ってくるっていうのは、やっぱり性癖にも関係してると思うんですよ。

攻め・受け。どっちが攻めでどっちが受けでっていうのも究極の形で言えば、ちょっと暴力的な表現も入ってくるのかなっていう。そこまでのエロは描かれてないですけど。もちろん。
稀見
破壊的な、どうしようもない鬱展開じゃないですよね。
わたみ
そう、感情の爆発というか暴発というかそういうのが、やっぱ『イエローハーツ』とかは結構出てきますよね。そのへんもやっぱ魅力かな。
稀見
表情はすごい豊かですよね。
えくと
表情も豊かだし絵もいろんな角度から描いても全然デッサン崩れないし、いいなー!
わたみ
しかも、崩れた顔描いてもかっこよくないですか?
こういうのとかね!普通こんな歯茎むきだしてる絵とかは、かっこわるくなるかなって…崩れた表情なのにカッコイイみたいな…。
Hori
なるほどねー。
わたみ
バランスがすごく良いですよね。
リアリティもあるのに、あんまりリアル系だと劇画調になっちゃってね、リアルになりすぎるとあんまりキャラクター可愛くなくなっちゃたりすることがあるんだけど、この人のはちょっと泣いてる時のシワとか描いても歯茎むき出してるのもカッコイイというか…。バランスがすばらしいなと。
Hori
女の子の唇のぽってり具合がねー。
わたみ
そうそうそうそう!私も思いました。唇…いいですよね。唇が分厚い女の人が流行ったのって、たぶんアンジェリーナ・ジョリーとか、あのへんからかなーとか勝手に思ってるんですけど。
『ピンクスナイパー』とかね…。
稀見
女性から見て女の子が可愛いっていう絵が描けるっていうのは、すごい羨ましいですけどね。
一同:うん~。
稀見
エロマンガで男がカッコイイって思ったのは、あんまないですからね。
わたみ
そう!そうなんですよねー!ホント、もっとね男性マンガ家さんはカッコイイ男の人描いてもいいと思うんですよ。なぜかというと、イケメンブームっていうか、特撮でも恥ずかしいぐらいイケメンがいっぱい出てくるじゃないですか!
一同:(一同笑い)
Hori
恥ずかしいぐらい…(笑)
わたみ
みんな遠慮しなくなったというか、なんだイケメンいいじゃん、見たいって言っていいんだ、みたいなね、そういう感じになってるから、もっとエロマンガにもどんどんどんどんヨネケンさんみたいにカッコイイ男の人出して欲しいなーって!
稀見
女性読者はすごいそういう要望はあると思うんですけど、たぶん男性読者でイケメンに嫉妬する人が多いと思うんですよね。
わたみ
あ~嫉妬するのか、そっかー。
えくと
そこは憑依じゃないっていうのが、また女性と違って不思議なところ…。
稀見
色々リサーチして聞いて、いい男に女の子がイカされてるのを見ると、自分はそこに憑衣出来ない、自分はすごいコンプレックスがあるんですよ、男は。そんないい顔だったらいくらでもできるのにっていうのを、それをできないからエロマンガで消化してるのに、でてるヤツがこんないい男で。
わたみ
あーーそっかそっか。
Hori
ふざけんなって(笑)
えくと
不思議だなー。
稀見
シンバみたいな関係性があれば、よけい際立つ。女性キャラクターがよけい際立っていいなーとは思う。私の場合出てくるキャラクターはみんな魅力的にして欲しい!っていう希望はあります。ただそれはマンガ読み…マンガ好きだからそう思っちゃうのか、男は普通実用的に使うにはよけいな考えなのかなとは思ったりしますけどね。
わたみ
確かにそうですよね。
Hori
男の人でヨネケンさんのマンガでは抜けない!って話も多いですよね!
稀見
あ、そうですか?
わたみ
こんなにエロいのに。
Hori
鳴子ハナハルさんとか、あんだけ絵が完成されると逆に抜けないとか…。
一同:あーーー!

「少女マテリアル」(著:鳴子ハナハル)


Hori
キレイすぎると実用に向かない、ちょっと崩れた方が具合がいい…みたいな(笑)
稀見
贅沢ですね。
わたみ
キレイですもんね、なんかこう絵を見てもいいなっていうそういうかんじで。
稀見
個人的には、もちろんストーリー物としては『ピンクスナイパー』大好きなんですけど、『淫笑う看護婦』で言うと、この先生ですね…。
とりこ
あー!私もそれ好きなんですよね!
Hori
ねー!すばらしい。
わたみ
そうそうそう!
稀見
この…いじめっぷり(笑)

「図書館の恋」淫笑う看護婦より


Hori
ホント、クールビューティーみたいなね。
とりこ
うんうんうん!
稀見
このカッコいい男の子…ちょっとプライドの高そうな男の子を、すごいいじめるじゃないですか。
とりこ
基本的にみんないじめられますね。あと可愛い女の子も結構いじめられますね。
どれに入ってる作品でしたっけ、いじめられっ子が保健室に行く話…。あれも結構いじわるな。
稀見
女装ものも結構…。
とりこ
私でもスカートの下に女性物のパンツを履いて男の子がエレクト(勃起)してるのがちょっと好きみたいなんです(笑)
一同:(一同笑い)

「おねえちゃんの制服」淫笑う看護婦より


稀見
BLとか使える。
とりこ
そうそう!使えるんですよ、そうなんですよ。でも、たぶん、それは米倉さんのを読んだからなのかなって…。
収まりきってないところがいい!
わたみ
はみでるところがいい!
とりこ
そうそうそう!
えくと
すごい羞恥プレイだ。
とりこ
なるべく小さめのヤツ履かせたいんですよね。
えくと
うわー ミチミチなのがいい。
とりこ
あと、泣いて鼻水垂らすとか、米倉さん多いじゃないですか。
描かないですよね、普通号泣してても鼻水とかヨダレとかは描かないと思って。しかも女の子にもちゃんと描くじゃないですか。
わたみ
うん~、確かに鼻水出てますね。
稀見
そういう人間らしいところを隠さないっていうのが逆に感情的に高ぶるなという気はします。確かに汁気は多いですね。いわゆるツユダク作家っていうんですけど。とにかく汁が好きな。
Hori
昔に比べてずいぶん…初期の作品に比べてシルダク・ムッチリ…おっぱいがどんどんどんどん大きくなっていくでしょ。
とりこ
あー、そうですねー!
稀見
おっぱいは、一応貧乳も描きますよね。そこは描き分けているというか。
とりこ
あとさっきの…『淫笑う看護婦』に入ってるヤツで、保健室のヤツとか。春菜とシンバもそうなんですけど、女の人の方が体大きいじゃないですか!
一同:あー、うん。
とりこ
そういうところも、普通、女の人は小柄に描かれたりとかしないで、おっきいのがすごいなって…。
Hori
で、ちっちゃい女の子も出てくるんですよね。ちっちゃい女の子が全然負けてないの。結構気ィ強かったりして…。
とりこ
うん、あとムッチリした感じの体をかくときお腹の脂肪もちゃんと描くところが…。
「そこは、逃げないんだ!?」っていうところが…。リアリティがあっていいなと思います。
だって太ももとかも、明らかに女の人の方が太いじゃないですか。
稀見
男は基本的にスレンダーなタイプが多いですね。ガチムチみたいなのは少ない気がします。
とりこ
そうですね。
Hori
女の人はわりとムッチリしてる。
稀見
わりと肉々しいというか、しっかりとふくよか…。ふくよかっていうか、しっかりとついてるところはついてるって感じで。
Hori
うんうん。
稀見
BLを読む時のエロさと、ヨネケンを読む時のエロさとっていうのは違いますか?
とりこ
うーーーーん、私もう米倉さんは米倉さんなので…。
そういう「エロが」っていうか、「米倉けんご」っていうジャンル!!
稀見
ヨネケンは1つのジャンルだと。それはもう名言ですね。
とりこ
(笑)そうですね、私の中ではそう思ってるんで。
Hori
でも、私もそう思います。ちょっと別格。
稀見
女性ので男性のエロマンガ読み、BLでもBLのエロ読む人は、どうエロとらえているかっていうのは興味があるんですよね。
Hori
結構女の子のエロ問題というかは微妙やと思うんで、同人の場合、二次の場合は、元の物語がやっぱりあるから、そこすっとばして…みんな知ってるからエロに比重がおっきくても大丈夫やけど、やっぱりオリジナルの場合は物語がなくてエロだけやと、ちょっとつらいから…。そこがちょっと差があるのかなと。
稀見
男性向けエロでも、ストーリーがあってバックグラウンドがあって関係性があるから最近はエロいんだと思うんですけどね。若い男の子は即物的で、すぐ抜ける、すぐ使える、という意味では、とにかく女の子がやれれちゃって感じてるっていうのがどうしても需要が高くなって来ちゃうのかと思うんですよね。
わたみ
そうですねー。やっぱ昔はドリーミング展開というかエロマンガでも男の人が女の人にコナかけた時にすぐ女の人が「あ、いーわよー」みたいになる、っていうイージーな展開じゃなくて、やっぱそれまでの過程を楽しみたいっていうのが、たぶん増えてきてるとは思うんです。

ただ16ページとか18ページとかっていう尺の中でキャラ立てして、途中の三分の一ぐらいでキャラ立てして、それでエロに持ち込むっていうのがなかなか難しくて、どうしてもエロシーンに半分以上のページを削かなきゃいけないがために、最初の導入がちょっと物足りなくなってしまうという、そういうジレンマはあるのかなって…。
Hori
確かに連載物と読み切りでっていったら、ずいぶんお話の組み立て方は違うだろうし…。
わたみ
しかも男性誌ってほとんど読み切りだから、あんまり続き物ってないんで、そうなりがちですよね。
稀見
普通のマンガより規制が多いし、組み立てが難しいですよね。
わたみ
エロを描くと話が描けなくなり、話を描くとエロが少なくなるという。
えくと
やっぱりちょっとジレンマですよねえ。
稀見
BLじゃなくて普通に男性向けエロを女性が読む場合に、米倉さんと普通の男性向けエロマンガで「ここは確実に違うな」みたいな、女性から見た視点で何か気づくことはありますか?
わたみ
女性の心理描写がリアル。女性ならでは。あと男性の心理描写もちゃんと入れてある。まあでも女性作家にみんなに言えることなんですけど、全体的に男性作家さんよりは女性作家さんのほうが少女マンガの文化もあるように心理描写も深い、っていう。
とりこ
米倉先生の作品はどうなんだろう。比べて何か違うこととか思い当たることあります?
稀見
やっぱり男性視点というか、男性が喜ぶ視点をすごいよくわかってるんだなって思って。
わたみ
確かに、男の人の目を持ってますよね。でも女の人の視点もちゃんとあるっていう。

ヨネケンさんっていうジャンルがあるっておっしゃったじゃないですか、まさにそうなのかなって思いました。つまりエロマンガを買った、読むぞって雑誌開いて読み始める時に、普通は「あっ!これナース物だー」ってジャンルで喜んでそういうの期待して読み始めたりとかあると思うんですけど、この人の作品は読む時はヨネケンを期待して読むと思うんですよね。

つまりそのヨネケンさんのヨネケン節、つまりこの作家さん自体に魅力があるっていうか、作品もすばらしいこの上ないんだけど、作家さんの考え方とか作家さんのカラーとか世界観を感じたくて読むっていうのがあるかと思いました。
稀見
そういう意味では確かに、女性ファンが多いって言ったじゃないですか、でもその女性ファンが、他のエロマンガも読むかっていったら意外に少ないんじゃないかって気がしました。
わたみ
そうですよね。この人独特のなんか…。
稀見
こっからエロマンガの世界に入っていくかっていったら実はあんまり入らない、ヨネケンワールドで止まってる気がする。
とりこ
私、実際そうです。『エヴァグリーン』とか『イエローハーツ』連載してる時に「快楽天」は一応買って読んだりしてたんですけど、他のももちろん読むじゃないですか…。

でも他の作家さんの作品をそのまま後追いして買おうかっていうのはたぶん思わなかったですよね、米倉さん目当てで買ってたっていうのがあるからかもしれないですけど。
Hori
女の子で普通に『快楽天』買って読んでる子って私の周りには一人もいない。でもヨネケンは読むよっていう子はいるっていう。女の子で普通にエロマンガ読んでる子がすごい少ない気がする。
わたみ
あー、確かに少ないかも。

女の人の場合はAV見たりエロマンガ読む場合って女性に感情移入すると思うんですよ、男にやられてるとか…。ヨネケン作品だったら男をやってるとかね。でも結構意外と男の人ってエロマンガ読む時に女の人視点で読んでるんだ、っていうことを…。あっそうなんだ…ってさっき聞いてて思ったんですよ。

自分が、女がエロマンガ読む時は女視点で読むから、男の人がエロマンガ読む時は男視点で攻めてるアレで読むのかなーって思ったら、意外と女視点で読んでたり女の人が何考えてるかっていうのを気にして読んでたりとか…。実際エロマンガでも、女の人視点で男の作家さんが描くエロマンガがあるという、その辺がちょっと自分の感覚と違うのかなって思いました。
稀見
逆に男視点で見たりすることはありますか?
わたみ
ありますね。男視点で見て楽しむことはありますね。
えくと
あるある。レイプものとか。
Hori
この子かわいい~みたいな。抱いてやる~!みたいな(笑)
一同:(一同笑い)
えくと
そうそうそうそう!犯してやるぜ!みたいな。
Hori
「ピンクスナイパー」のフタナリっていうか…チンポ生え薬って全然違和感無くて「よかったね~!」っていう(笑)
一同:(一同爆笑)
稀見
先生は生え薬なくても生えてるよね?
元々なんか…。
わたみ
確かに、全然違和感なかった。
一同:うんうんうんうん。
Hori
「やっぱり欲しかったのね~~」みたいな(笑)
一同:(一同笑い)

春菜先生はもともとチ○ポを持っている!


稀見
心のフタナリですよ。違和感なくて、まさに『鬼に金棒』状態。
一同:(一同笑い)



■なんと、これで半分!

実はこれで半分しか公開していないという…。でも、文字起こしをした段階から、さらに6分の1ぐらいカットしてこれですから(^_^;
ま〜間に、どうでもいい脱線が多かったのも確かではあります。

というわけで、これより後半はさらに盛り上がっていったのでした。

話が本当に途切れない。どんどんとヒートアップしていく座談会!




■もちろんフルバージョンは「同人誌」に!!

フルバージョンは「エロマンガノゲンバ Vol.2」に収録されています。

「エロマンガノゲンバ Vol.2」


座談会表紙


フルバージョンでは、ヨネケンの話を通り越して「女子とエロ」についてに赤裸々なトークが!! 女子にとって萎えるエロシチュエーションとは? 逆に萌える表現は! こちらも面白いぞ!!



■米倉けんご新刊情報

著者:米倉けんご
発行日:2009年12月
987円(税込)



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28 ero

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