服部ミツカ先生 インタビュー
TOP
女の子が描くエロマンガ(同人)は好きです...

2012
エレクトさわる先生 インタビュー
Check


エレクトさわる先生へのインタビューを行ったのは、先生のお仕事場の最寄り駅でもある東京の異次元「八王子」(笑)

八王子は「エロマンガノゲンバ」のとっては思い出の地。今までの全ての記事に置いて、一番最初にインタビュー&取材を行った地が、実は八王子だった。

Vol.1の「注目書店インタビュー」で八王子の「まんが王倶楽部」さんを取材したのが最初で、まだ取材やインタビューのイロハも何もわかってなかった、本当に手探り時代に駅前の居酒屋で行われた。その時には、まだ駅前のそごうは営業中で、メロンBOOKSはまだ進出していなかった。

JR八時王子駅前 そごうが閉店したのはついこのあいだ


そんな思い出のある八王子。まるでふるさとに帰ってきたような懐かしさを感じつつ、取材当初はまだ確立していなかった、周りに気兼ねなくエロトークが出来る場所、カラオケ店で「エレクトさわる」先生へのインタビューを行った。

ゲストプロフィール
エレクトさわる(えれくとさわる)

『裏探偵ファイル』に掲載されたWEB漫画「魔子ちゃんの召喚日誌」でデビュー。雑誌では同年9月『COMIC天魔9月号』(茜新社)にて掲載が初。迫力のあるぶっかけ作家にて、触手エロマンガの最前線を走る。
綿密に練られたストーリーにも定評がある、キルタイムコミュニケーションの看板作家! 最近の趣味は海外旅行!



■とりあえず会社を辞めようと…

稀見 :今日は先生のお仕事場から近い八王子での収録となります。よろしくお願いいたします!
さわる:よろしくお願いいたします。
稀見 :まずは、やはりデビューのきっかけからお伺いしたいのですが…。
まず最初に先生のデビュー作が何になるかという点で、結構迷ったんですよ。

一応「COMIC天魔 2005年9月号」に収録された「淫欲の夕暮れ」という作品が、雑誌等に掲載された一番最初の作品という事ではあるんですが、紙ではなくネットのweb漫画『裏探偵ファイル』というサイトで「魔子ちゃんの召喚日誌」という作品が掲載されたと…。

で、このサイトが未だにどういうサイトで、商業的な経緯だったのかという部分もいまいちわからなかったので、まずはこの辺からお伺いできますでしょうか?
さわる:そうですね。経緯を説明しますと、2004年、僕がいったん上京しまして仕事をしていたんですけど、仕事を辞めて地元に帰ったんです。そしてまた上京するんですが(^_^; また絵の仕事をしようと…。なんかややこしいので、最初から話します(笑)

僕は小学生の頃からマンガをノートに描いていました。中学、高校では趣味で同人誌を作ったりしていましたね。その頃はマンガは趣味で描こうと思ってまして、その時は建築家になろうと思っていたんですよ。

なので、高校は建築科のある高校に入ったんです。マンガを描くことが好きだったせいか、製図を描くのが面白くて進めていたんですけど、そこでCADを始めたんです。

CADに触れてみて、これはマンガと同じで絵を描く感覚に近いと感じ面白いもんだと思いまして、今度は建築系の専門学校に入ったんです。一度地元の青森から離れまして、仙台の学校だったんです。

そこで新たに2年間建築の勉強をして、いざ就職となった時に東京の建築施工会社に就職したんです。そして春から働きはじめたんですが、その時でも”マンガは趣味!”という感じで描いてはいたんです。
稀見 :高校時代からマンガも描いてはいたけど、あくまで趣味という位置づけではあったんですね!
さわる:ハイ、そうですね。でも一度くらいマンガ家になりたいと思った時はあったのですが、家の事とか将来の事などで結局はマンガを仕事にするのは考えないようにしようと思いました。あくまで趣味として気軽にやっていこうと。別に絵やマンガを描かないわけじゃない、仕事をしながらでも絵も描けるしと思っていました。

そして就職してから、朝仕事に行く前とか夜遅く帰ってきてからもマンガを描くようになってきて、結構描く時間が多くなってきてはいたんです。そんなときに、ふとしたことからちょっと仕事に不信感を抱くようになったんです。なんか、この会社ではやっていけないんじゃ無いかと思い始めたんです(^_^;
稀見 :なんか、鬼ノ仁先生にも似たようなお話を聞いたような…(;゚∀゚)=3 
鬼ノ仁先生も建築のお仕事をされていて、理不尽な事情でやってられないと辞めたそうです。
さわる:何というかあんまりやり甲斐を感じないというか、作業感を感じてしまって結構モヤモヤしてました。しかも以前、この会社はある事件をやらかしてまして、入社する時は『まぁ流石にもうそういう事は無いだろう』とある意味信用してたのですが、現実は特に変わらず再び事件やらを起こす有様で『もうここには居たくない』と思うようになって来ました。

なんだかんだでそんなことを思い始めていた頃に虎の穴さんからイラストのお仕事を頂いたんです。
稀見 :それは、先生の同人誌を見て依頼してきたわけですね?
さわる:そうですね。専門学校に通っていたときに、同人誌を2冊ほど委託させて頂いてまして、それでちょっと仕事をしませんか?という手紙を頂いたんです。
その時に、「あ~絵でもいけるんじゃないか!?」と…(^_^;
稀見 :あ~自分の描いた絵がお金(報酬)になる、という現実が実感できたと…!
さわる:そうですね。ちょっと心が動き始めましたね。それで、とりあえず会社を辞めようと…。
稀見 :ということは、何か具体的な”仕事”があったわけではなく、とりあえず辞めてから絵の方向に方針転換したという事ですね。
さわる:そうですね。それで仕事を辞めて実家に帰ってからは、イラストの仕事をしつつ、同人誌を再開したりしてました。本を一冊発行すればいくらかは食べれる状況だったのでそこからまた始まったというか…(^_^; 

その後もう1回上京するんです。
ここ八王子に!
稀見 :じゃ、八王子は単なる偶然!?
さわる:そうですね。
このぐらいの家賃で、このぐらいの間取り…、となると自然と西寄りに(^_^;
そして2004年の夏に八王子に住み始めて、同人を描きながら生計を立てていたんです。
稀見 :では、八王子に来たばかりの頃は同人誌だけで生計を立てていたんですね!(;゚∀゚)=3
さわる:同人誌を2、3冊だして、その年(2004年)の年末ぐらいに、メロンBOOKSさんからお仕事を頂いたんです。
それが、この『裏探偵ファイル』さんのお仕事だったんです!
稀見 :えっ!!(;゚∀゚)=3 『裏探偵ファイル』ってメロンBOOKSさん母体なんですか??

『裏探偵ファイル』(当時)


さわる:いや、そういうわけではないらしいんですが、依頼を受けたんです(^_^;
稀見 :うわ~ややこしくて、よくわからない(^_^;
さわる:そしてそこでお仕事を頂いたんですが、最初に描いたのが「魔子ちゃんの召喚日誌」になりますね。

商業デビュー作品「魔子ちゃんの召喚日誌」


このネームを描いて、本社? いや、事務所に持っていってお話をして、これで行きましょう!となったんです。当時はネット入稿なるものが全くなかったので、原稿を取りに来て頂いたり、持って行ったりしてました。
稀見 :それは、紙の原稿ですか?
さわる:いや、当時はペン入れまではアナログで仕上げがデジタルという形だったので、データをCD-Rに焼いて、それを直接渡したりしていました。
稀見 :なるほど~。デジタル原稿だけども、入稿は手渡しというまだ微妙に完全デジタル化してない時代の作業ですね(^_^;
さわる:この頃はまったくコミスタなるものを知らなかったのですよ。

だから高校の時から使っていた技で、スクリーントーンをスキャナで読み込んで、それをフォトショップで加工して使っていました。(^_^; 
モノクロ化してないのでモアレまくりの酷い原稿でしたね。
稀見 :まだ、パワートーンみたいなプラグインを使う事すらしてなかったと…。
ちなみに、このお仕事の原稿料はどのくらいだったんでしょうか?
さわる:ページ7,000円ぐらいだったと思います。
稀見 :お、そこそこいいですね(;゚∀゚)=3
さわる:内容も自由で、リテイクも無しでした。それで、隔週でお願いできませんか? と言われたんですが、さすがにそれは無理でしたね(^_^;
稀見 :で、この『裏探偵ファイル』で計4作、報酬を頂くマンガのお仕事をされたという事ですね!で、次に「COMIC天魔」で、紙媒体での初めてのお仕事をする事になるんですが…、作品で言うと「淫欲の夕暮れ」ですね。このお仕事をいただいた経緯は?

COMIC 天魔 2005年9月号(茜新社)


商業雑誌デビュー作「淫欲の夕暮れ」


さわる:実は…(^_^; 
すいません、話の腰を折るようで申し訳ないのですが、実は茜新社さんから声をかけて頂く前に、キルタイムさんから1回声をかけて頂いているんです!
稀見 :何っ!(;゚∀゚)=3
さわる:それが2004年の末ぐらいですかね…。「二次元ドリームマガジンで描きませんか?」と…。「二次元ドリームマガジンって何だ? (゚Д゚;)」というぐらい、まだキルタイムさんの事知らなくて…(笑)
稀見 :でも「二次元ドリームマガジン」ってマンガ雑誌ではないですよね?
さわる:そうですね、メインは小説なんですが、中にマンガもある雑誌媒体ですね。それで連絡を受けた後にどんな雑誌だろう?と本屋さんで買ってみたら、描かれている作品が軒並みクォリティーが高くて、「ど、どうしよう!!」と思いました。(^_^; 

色々考えたんですが、ちょっと自分にはまだ力不足だからと思ってその時は受けなかったんですよ。
稀見 :ええ!(;゚∀゚)=3 今や、キルタイムの顔なのに!!
さわる:その件が終わって2005年に同人誌を出していたら、今度はそれを見た茜新社さんの担当さんに声をかけて頂いたんです。同人誌を見ていただいてとりあえず本社の方へ行って編集の方とお話をして、「こういう所を直した方がいいよ!」とかアドバイスを頂いて、そこから掲載へ向けて進んでいった感じですね。
稀見 :いきなり、作品が掲載されたというわけではなく、掲載に向けて準備をしていったと…。
で、天魔のほうが二次元ドリームマガジンよりも敷居が低かったと…?(笑)
さわる:いやいやいやいやいや!(;゚∀゚)=3 

でも、天魔知ってる!買ったことある!というのはありましたし、そこまでいろんな出版社から声をかけていただいているんだったら、描かないと!!という気持ちになったんです(^_^; 

それに2004年の中頃から、だんだん貯金が毎月減っていっていたので、こりゃやばいぞ!というのもありましたから(^_^;
稀見 :で、これが天魔のデビュー作なんですが(と、雑誌を見せる)、ほぼ巻頭に載っているほど期待度が高い紙デビューなんですが、どういうわけか、あおり文句、例えば「期待の新人ついにデビュー!」みたいなのが全くないんですよね~(^_^;
さわる:言われてみれば無いですね。やっぱり一度裏探偵ファイルさんで描いてたからだったんですかね?(^_^;
稀見 :確かに、正式なデビュー作ではないかもしれませんが、描いてほしいですよね~! だからこの作品がデビュー作なのか迷ったんですよね~。後からわかったのでよかったですが、大型新人にはやはり煽り文句は付けてほしいものです!
さわる:実は、この天魔デビュー作の「淫欲の夕暮れ」は、初コミスタで描いたんですよ~。
この頃だとVer3.0ぐらいですかね?
稀見 :紙デビューをいきなり全部コミスタって大変だったんじゃ?(^_^;
さわる:下書きはアナログで、ペン入れはコミスタで、という感じで描いていました。担当さんとのやり取りも含めたら3ヶ月ぐらいかかりました。今まで好き勝手にマンガを描いてたんですが、最初は全く(マンガの)システムを知らなくて、ノド(雑誌の中央部分)に人物とかを描いてしまっていますね(^_^;
稀見 :そうやって天魔で定期的に描いていくことになったと思うんですが、今度は一度断ったキルタイムさんのしかも二次元ドリームマガジンでマンガを描く事になるんですが、これはどういう流れだったんでしょう?
さわる:実はまた同じ担当さんから、描きませんか?というお話しをいただいたんです(^_^;
稀見 :天魔はよくて二次元はダメなんですか~~ヽ(*°ω°)ノ みたいな(笑)
さわる:そ、そうなんですかね~(^_^; 
でも、今度は是非描かせていただきます!という感じで!
稀見 :でも、嬉しいですよね~。諦めないで2回も声をかけていただくなんて…。でも、何で二次元ドリームマガジン? 
あ、「アンリアル」はまだでしたか…。アンソロはありましたけど。
で、最初の載ったのが「銀河特警キャッツブレード」と…。
さわる:(^_^; これも古い話になるんですが、高校時代に描いた同じプロットのマンガがありまして、これをやってみようかなと(笑) 

これは、単行本の方にも載っていたんですが、最後のキャラクターデザインの所に…、これですね。高校ぐらいの時に描いた原案ですね。

「銀河特警キャッツブレード」(二次元ドリームマガジン掲載)


「銀河特警キャッツブレード」の設定資料


稀見 :おお!なんかデジ子みたいなのがいますね(笑)
さわる:そうなんですよ~(^_^; その当時流行っていたというのはもちろんあるんですけど…。
最初はこういう丸っこい絵柄で描いていたんです。で、このキャラを使おうと思って。
稀見 :それを、エロマンガ等身に変えて使ってみたと!
さわる:中学高校時代は、普通にロリ系を描いていまして、最初はエロパロという感じだったんですよ。「カードキャプターさくら」とかが大好きで…。高校生当時に描いた同人誌も持ってきたんですが、こんな感じです。2001年あたりですね。

2001年発行のコピー誌「PANDORA PANIC」


「PANDORA PANIC」の中身


稀見 :(;゚∀゚)=3 えええぇぇぇぇ! これが、エレクトさわる先生の絵!?? この同人誌、エレさわ先生だよって今言っても誰も信じませんよ!!!
さわる:こういう丸っこい絵柄だったんですよ~(^_^; 最初はロリ系で描いていたんですが、2002年ぐらいにみやびつづる先生にハマって、人妻いいな~~って思って(*´∇`*)
稀見 :いきなり飛びましたね!
さわる:初のオフセットがこの聖剣伝説3のリース本『淫汁皇女』で、次がギルティギアのディズィー本(2003年)ですね。

初のオフセット 聖剣伝説3のリース本『淫汁皇女』


稀見 :もう、完全に今のエレさわ先生に近いですね!でも、ほんとこの2年に何が起こったんだ!って感じですね(^_^;
さわる:初めて同人誌という形で描いたのが「カードキャプターさくら」のパロディーもので、高校生の頃だったと思いますが、それは探したんですがありませんでした(^_^;
稀見 :この同人誌なんて触手じゃないですか? 
もうこの頃からキルタイムの申し子としての活動を(笑)
さわる:高校生の頃に描いたオリジナルコピー本ですね(笑) 
実は、この世界観での世界害虫駆除機構、通称デバッガーとかいう設定も、淫術の館に活かされてたりします。
稀見 :いや~やはりこの頃からスターシステムではないですが、先生の世界観、エレさわワールドがよく出ている感じがしますね。
さわる:なにかしら、作品には関連は持たせたいとは思いますね。世界観やら設定などは共通で。だけどその話だけで完結出来るようには心がけています。逆に時事ネタとか、流行のアニメ等のネタを描くと後で見たときに絶対苦しくなるなと(^_^; 
なので、それはやらないように心がけています。
稀見 :でも、仕事をやめてからマンガ家としてデビューするまでは、比較的流れに乗ってスムースに来た感じではありますね?
さわる:そうですね。幸いポンポンと事が運んでいる気がします(笑) 

同人活動の方はずーっと地方のイベントに参加してたんですが、コミケ初参加は2005年の夏ですね。
稀見 :しかもデビュー後ですね(笑)


■曖昧なゾーニングの方が大切なんじゃないかな~とは思います

稀見 :影響を受けた作品などがありましたら、お聞かせください。
さわる:そうですね、じゃあ小学生ぐらいから順に行きます(^_^; 

そもそもこれはマンガを描いたきっかけになっちゃうんですが、当時はアニメ、マンガよりもゲームをするのが好きで、ずっとスーファミのマリオをやったり、ゼルダの伝説をやったりしてたんですけど…。

そこで、エニックス発刊のゼルダの4コママンガを買って、それを読んでそのまま真似して描いたりもしたんですよ。そこから、作家さんの絵柄を真似て自分でも描くようになったんです。その後だとスクウェアさんの「聖剣伝説2」にハマって、自分でそのストーリーをそのままマンガに描いていたりもしました。

その他には「クロノトリガー」「聖剣伝説3」「サムライスピリッツ」とかを4コマで描いたりしていました。特に聖剣伝説3では、4コマやストーリーではなくオリジナルの過去話やパロディを考えて描いていたりしてて、今で言う同人みたいな事をしてましたね。コミケがあるなんて知らなかったんですけど。(笑)
稀見 :次々とハマっていったゲームの、オリジナル4コママンガを描いていったわけですね!
さわる:だから、アニメやマンガ等が趣味とかよりも最初はゲームですね。そうなると影響も、ゲームのイラストレイターなどになるんですかね?(^_^; 

そして中学に上がると、もうマンガを描かなくなっちゃうんです。その代わりイラストばっかり描いていました。その時に影響を受けたのが、新世紀エヴァンゲリオンの貞本義行さんですね~。あとは、FF7が出ていたので、野村哲也先生のイラストを真似したり、描いたりしていましたね。で、何故か大友克洋先生の「AKIRA」にハマったりして、なんだこれ凄い!80年代なのにすげークオリティーだと思って。

貞本義行画集


「AKIRA 6」(著:大友克洋)


稀見 :最初にアニメの方の「AKIRA」を見て、そしてぶ厚い本の方へ?
さわる:そうです! この描き込みは凄いって!(;゚∀゚)=3 影響を受けましたね~。
映画も2、30回観たかも知れません。
稀見 :私の世代でも「AKIRA」に影響を受けてない人はいないぐらいですから、どの世代にも響く凄い作品ですよね~。
さわる:その他ではアメトイ(アメリカントーイ)のスポーンにもハマっていまして、スポーンのフィギアや原作のコミックを集めたりもしていました。他にはスパイダーマンやX-MEN等のコミックスも読んでいましたね。そういったアメリカンコミックス関係の、クリーチャーデザインや独特のベタの入れ方とか、面白いな~と思って読んでいましたね。

スポーンフィギア


稀見 :私はフィギアにはあまり詳しくないんですが、そういうフィギアって地方の方ではどうやって手にいてるんでしょうか?
さわる:当時はネット通販もそんなに発達はしていなかったので、地元に輸入雑貨を取り扱っているお店があって、そこでフィギアも取り扱っていたんです。駅前にお店が出ていたので、結構中学2、3年の頃から高校まで、学校帰りに寄ってアメトイを買ったり店長さんと話したり、そういう時代を過ごしましたね。
稀見 :東京のような大都市だと、そういうマニアックなお店もたくさんあって、物もたくさん集まりますけど、地方は逆に小さいながらも店長さんとかお客さん同士のコミュニティーの結束が強くなっていいですよね~(*´∇`*)
さわる:なので、その頃だとエヴァの貞本さん、大友さん、そしてトッド・マクファーレン(スポーン作者)などの影響を受けたと思います。マンガだと三浦健太郎先生の「ベルセルク」ですかね~? でも、マンガというよりはゲームの方が影響を受けたのは多かった感じはしますね。でも、あげた例がほとんどファンタジーよりですよね?
稀見 :あ、そうですね! AKIRAはファンタジーというよりはSFに近いですが、現代物語ではないですね。でも、その頃ってゲームと共に、ファンタジーの勢いが一番あった時代だったかもしれませんね。
さわる:そうですね~。高校に入ってからまたマンガを描き始めるんです。特に理由はないんですが(^_^; そのころからだんだんオタク色が強くなっていったんです。
「セイバーマリオネットJ」とか「アキハバラ電脳組」とか…。

「セイバーマリオネットJ」DVD


アキハバラ電脳組


稀見 :ことぶきつかさ…ですね(`・ω・´) 
あと、あかほりさとるですね。この2人で世界を席巻していましたね…。
さわる:中学時代に僕も友達から小説を借りて読んでました「MAZE☆爆熱時空」とか(^_^;

「MAZE☆爆熱時空」


そこの頃から頻繁にアニメを見るようになりましたね。衛星放送が見られるようになって、地元の青森でもアニメをそこそこ見られるようになりました。WOWOWの無料放送時間帯でアニメ放送やってたんです(^_^;
もともとそういうアニメを全然見てなかったんで、反動でたくさん観ましたね。
稀見 :では、高校時代にアニメにもハマり、マンガも再び描き始めたと!
さわる:そうですね。でも何故かエロマンガしか描いていませんでしたけど(^_^;
稀見 :ブログに影響を受けた作家さんに、狩野ハスミ先生をあげられていたんですけど、それを読んで思ったんですが、狩野ハスミ先生や鬼ノ仁先生の細いけど強烈に重さのある画風というか、そういう雰囲気が先生の絵にも非常に感じられて、そういう部分で影響を受けているのかな…と。
さわる:そうですね。あ、すいません言い忘れていましたが、鬼ノ仁先生にももちろん多大な影響を受けさせていただいています(^_^;

最初にコアマガジンに先生の作品が載ったときには、こ、これは凄い人だ!!って思って、単行本が出た発売日には、もう買いに行きました、未成年でしたが(笑)

エロ系だと他には龍炎狼牙先生、大野哲也先生、美和美和先生、みやびつづる先生等の作品、絵柄に影響を受けました。
稀見 :ちなみに、初めてエロマンガを買ったり読んだりしたのはいつ頃だったんでしょうか?
さわる:中学2年ぐらいに、ポプリクラブとか買って読んでいましたね。僕の行っていたお店は店構えが8畳ぐらいで、半分が普通の本と文房具だったんですが、3分の1ぐらいのスペースにエロ系がぐわ~~っと(笑)
稀見 :個人商店の本屋さんだ、一般の本ももちろん置いているので、明確なゾーニングではないけど空気の壁のようなものが見えるんですよね~(^_^; もちろん店主の目があったりするんですが、そこを越えて買いに行くという勇気が試されましたね(笑)
さわる:逆に「18歳未満立ち入り禁止」とか書いてあると絶対入れないですからね~(^_^;
こういう曖昧なゾーニングの方が大切なんじゃないかな~とは思いますけどね…。
稀見 :激しく同意です!(`・ω・´)
さわる:エロマンガもそうでしたけどエロ本も買ってて、洋物が好きでしたね。このへんは刷り込みがあると思うんですよ。小学校5,6年の時に初めて見たエロ本が洋物だったんですよ(^_^; 
もしかしたら、それが関係しているかもしれません。


■セックス描写よりも、フェラとか顔射のほうが好きだったんです(^_^;

さわる:中学の2年頃ですかね? エロビデオの自販機というのがあったんですよ。
Arrayビニ本の自販機は昔よくありましたが、ビデオは珍しいかも(笑)
さわる:もう通るたびに気になって、学校休みの時に買いに行ったんですよ。とにかく何も見ないで適当に買って来たんですが、だんだん味をしめて塾の帰りなどの暗いときに、自転車で徘徊してスキを見て買ったりしていましたね(^_^; そこで、なんで自分がぶっかけものにハマっていったかという話になるんですが…。
稀見 :もう流れの関係から、そこいっちゃいましょう!!ヽ(*°ω°)ノ
さわる:中学くらいの時に道で偶然拾った本に多大な影響を受けまして…。
それが「GAL'Sシャワー」という雑誌だったんです。
稀見 :おおおおぉぉ! 伝説のザーメン雑誌「GAL'Sシャワー」ですか!! それを初期の頃に見ちゃったら、それはかなりの衝撃だったんじゃ!?

伝説のザーメン雑誌「GAL


さわる:もともと自分はどっちかというとセックス描写よりも、フェラとか顔射のほうが好きだったんです(^_^;
なので、こんな素晴らしい本があるのかと!ヽ(*°ω°)ノ
稀見 :顔射は日本のヘンタイ文化、COOL JAPANとして世界発信されていますからね(笑) 外国人が「ぶっかけうどん」と聞いて、クレイジ~と誤解するほどです(笑)
さわる:何をぶっかける、というんでしょうかね(^_^; 

それで、ハマって高校卒業して専門学校に行った頃かな? 堂々とDVDを買えるようになってからはもうシャトルジャパンやムーディーズ、ミルキーキャット(みんな顔射作品に強いAVメーカー)作品を買いまくって、研究?? というか、参考にしていました(^_^;

当時は同人誌でも、そういう描写(顔射)などを扱ったものがあまりなくて、じゃ自分で描こうと思ったんです。そして、自分の作品に取り入れていくようになったんですよ。
稀見 :ということは、やはり映像とか顔射のビジュアル的なイメージが根底にあったんじゃないかと?
さわる:そうですね~(^_^;
稀見 :最初にインパクトを受けたフェチって、いろいろ浮気などはしますが根底には残っていて、どうしても作品の軸を形成することが多いですよね~(^_^;
さわる:エロマンガを描くときにはかならず一コマは顔射シーンを入れよう、と心がけて描いていますね。



と言うわけで、公開はここまで(と言っても3分の2ぐらいも公開してる)。
ここから怒濤の「顔射」トーク炸裂か? 先生が顔射の原点を語るぞ!

その他にも、創作の秘密や、作品キャラのフィギア化などの顔射のように、濃くて熱い話が語られているぞ!



これは、インタビューの時に持ってきて見せて頂いた「ナナリー」のくぱぁフィギア!!ヽ(*°ω°)ノ
いや〜無修正3Dフィギアをマジマジを見たのは初めてかもw

八王子で何が起こった!?


同人誌には先生のイラストや、URAN先生の描いたレポートマンガも載ってるぞ!


■新刊情報!

エロマンガノゲンバ Vol.6
2012年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • DISTANCE
  • エレクトさわる
  • たけのこ星人
  • 服部ミツカ
その他の現場!
  • エロマンガ女子会
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

今回のインタビューの完全版は、新刊「エロマンガノゲンバ Vol.6」に収録されています。ご興味のある方は、是非コミケ、もしくは委託書店へ!


■既刊情報!

エロマンガノゲンバ Vol.5
2011年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 甘詰留太
  • 命わずか
  • ぢたま某
その他の現場!
  • トキワ荘プロジェクトに潜入!
  • 「エロチャリ」は如何にして制作されたのか?
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
  • Benny's
  • 新堂エル
その他の現場!
  • LOファン座談会
  • ゴージャス師走ナイト
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな

エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 師走の翁
  • にったじゅん
  • 岡田コウ
その他の現場!
  • エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
  • 携帯エロマンガの現場
  • 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.2
2009年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 月野定規
  • 紺野あずれ
  • 柚木N’
その他の現場!
  • 図書館の現場(国会図書館、米沢嘉博記念図書館)
  • イベントの現場(三峯徹、貧困問題)
  • 座談会(米倉けんご大好き女子座談会)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。



【インタビュー関連リンク】
 
10 ero

服部ミツカ先生 インタビュー
TOP
女の子が描くエロマンガ(同人)は好きです...