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【2011】明けましておめでとうございま...

2010
新堂エル先生 インタビュー
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「日本に来てから4年半ぐらいに…」

確かに、彼の初単行本の「晒し愛」のカバー下にはこう書いてある…。

こんなにも作者の素性を疑ったことはなかった。
(;゚∀゚)=3 本気(マジ)か!

「新堂エル」という作家が、はるか遠く海を渡って日本に来たアメリカ人だという事がとても信じられない。

こ、こんなに日本のエロマンガに馴染んでいて、絵柄、ストーリー、そしてなによりエロさ!
非の打ち所がないではないか!ヽ(*°ω°)ノ

いや、確かに「日本に来て!」とは書いてあるが、アメリカ人と決まったわけではないし、なによりネタという可能性もある。しかし、しかしだ、それにしても、この人を惹きつける大胆で迫力のあるマンガ、それだけでもお話を聴く価値はある! そう考えた私は、早速先生にオファーし、インタビューを行う事にした。

他の作家さん同様、多忙なスケジュールの合間に時間を作っていただき、今回は先生のお仕事場でお話を伺うことになった。待ち合わせは仕事場から近い「JR小岩駅」。雨の降る10月にしてはかなり寒い日であった。



ゲストプロフィール
新堂エル(しんどうえる)

2008年彗星のごとくデビュー し、今最も勢いのある新⼈人作家の1⼈。度肝を抜くような設定のマンガを描 いたと思えば、一転して切ないラブストーリーまで操る。今の時代としては 珍しい「腹ボテ」「出産」ものを好む。好物はとんこつラーメン!


■国籍はアメリカになります

稀見:今日はお忙しい中ありがとうございます。今まで何回もインタビューを行ってきましたが、先生の仕事場でインタビューするのは初めてです。そういう意味でも緊張しています(^_^;
新堂:こちらこそ、よろしくお願いいたします。
稀見:新堂先生に関しては、たぶん今までのインタビューとは若干違う質問が多くなるとは思うのですが…(^_^;
新堂:いやいや、なんでも聞いて下さい(笑)
稀見:率直に聞きます。まず、一番最初に聞かないといけないと思っていた質問で、初単行本「晒し愛」のカバー裏に描かれていたことは本当なんでしょうか?
新堂:はい、本当です!!

カバー下に衝撃の告白が!! ア、アメリカ!?


稀見:よかった~(´▽`) 

実は、この話が全部ネタだったらどうしようかと思ってはいたんですよ(笑)
という事は、本当にアメリカ(ニューヨーク)から日本にやってきて、マンガ家をやっているという事なんですね!!
ニューヨーク生まれで、アメリカ国籍という事ですよね? その辺事を少し詳しく教えていただけますか?
新堂:ニューヨーク生まれで、日本に来るまでそこにいました。父親が日本人なので、家庭では半分日本語、半分英語みたいな環境で育ちました。母親がアメリカ人なんですが、国籍はアメリカになります。

父親がもう30年ぐらいアメリカに住んでるんですが、全然英語話せなくて…(^_^;
稀見:え~(;゚∀゚)=3 それでニューヨークで暮らしていけるんですか? 日系企業とか?
新堂:いや、レストランで働いていました。経営もしていたんですが、日本人に囲まれていたので特に英語を必要としてなかったみたいですね。でも、悪口だけは英語でしたけど(笑)
稀見:では、何歳頃までアメリカに住んでいたんでしょうか?
新堂:そうですね、大学を出て2年間ぐらい働いてお金を貯めていたので、24歳頃まででしょうかね?
稀見:そこで日本へと! そして、ここ「小岩」に!(^_^;

ここまで聞いて、もうすでにいろいろ聞きたい事がありすぎて、ちょっとどこから伺えばいいのか迷います(笑) う~ん、じゃとりあえずまずはベタに、「デビューのきっかけ!」はどういう経緯だったんでしょうか?
新堂:日本で同人活動をしてたんですよ。そしたら、担当さんからメールが来て…。
稀見:あ、即売会とかで直接挨拶に来たとかではなくて?
新堂:同人誌の奥付のアドレスなどを見てたぶんメールしてくれたんだと思います。初めて出した同人誌だったんですけど…。
稀見:は、はじめて!!(;゚∀゚)=3
新堂:初めて描いたお粗末な同人誌だったんですけど、それを見て声をかけてくださったんです(^_^;

初めて出した同人誌「PLAYMATE OF THE APES」


稀見:そ、それは、最初の同人誌のレベルも凄いし、それを見極めたティーアイネットの担当さんもある意味凄い!! 先見の明がありすぎる!

でも、最初の同人誌を出されたのは確か2006年ですよね? そこから実際のデビューが2008年なので、その間はどのようなやり取りがあったんでしょうか?
新堂:あ、でも声をかけていただいたのは、初めての同人誌を出してからだいぶ経った後だったんですよ。
たぶん2007年の終わりぐらいだったと思います。なので、そこからいろいろと同人も描きながら、担当さんとやり取りしていたという感じですね。
稀見:じゃ、実質ほぼ1年ですね。デビューが2008年の中頃なので…。で、そのデビュー作が、「BUSTER COMIC 7.0」(2008年8月)の「生殖ルームサービス」になるわけですね! これは、単行本未収録ですね!

「BUSTER COMIC 7.0」(2008年8月)


デビュー作「生殖ルームサービス」


新堂:いや~ホントに見苦しいマンガなんですけど(^_^;
この作品で初めて、付けペンとかトーンとかを使ったんですよ…。
稀見:ええ!(;゚∀゚)=3 付けペンを初めて!! ということは完全アナログをいきなりですか! と言うか、聞くこと全て驚きばかりです!

確かにティーアイネットさんはアナログ中心の原稿が多いですが、同人とかでアナログだったわけではなく、デビュー作でいきなり付けペンですか…。
新堂:逆に同人では、線画をスキャンして、仕上げをデジタルで描いていたんです。なので、アナログは初めてだったので、もう半年ぐらいかかりました。



稀見:いや~何もかも初めてづくしですね! 
でも、それを全然感じさせないというか、この辺のウニフラッシュも日本人でも最初は苦労しますよ(^_^;
新堂:いやいや全然ダメですよ。というか、これ以降使ってないですから(笑)
稀見:なるほど~、普通の日本人としてもこういうデビューは希かも知れないので、本当に驚きの連続です。


■「ジャパニーズ・ドリーム」ですかね?(^_^;

稀見:さて、デビューのきっかけはわかりましたが、やはりこの部分が一番気になると思うのですが、何故アメリカからわざわざ日本に来て、「同人誌」を描こうと思ったんですか?
新堂:そうですね~。高校の時から、「高二病」(笑)みたいな、なんか自分の人生このままでいいのか? このままズルズル行ってしまっていいのか? みたいな感じになったんです。自分に何が出来るかと思った時に、絵を描きたいと…。じゃ、絵を描くんだったらどうしようかとなって、本当は大学に行くつもりはなかったんですが、美術の大学に行ったんです。

でも、絵以外の保険というつもりで大学を選んだんですが…(^_^;
稀見:でも、絵を描く事自体は小さい頃から好きだったんですよね?
新堂:はい、好きでした。ずーっといろんなものを描いてました。

美大に通っていると、だいたいの人がアーティスト志望の人なんですが、どうも僕はそういう世界は肌に合わないというか、違うと感じたんですよ。そしたら大学在学中に、ネットで”同人誌のダウンロードサイト”を見つけたんです。それを見つけた時に「これって、いいマーケットになるんじゃないか?」と思ったんです。すぐに出せるし、原価もかからないので、面白いと思ったんです。
稀見:では、まず”同人誌”というものを、ネットでダウンロードできる電子的な販売物として知ったわけですね! 自分で制作した同人誌を販売することが出来ると!
新堂:だけど、アメリカ内には、ネットにもそういうマーケットがほとんど無くて、やっぱり活動するんだったら日本だろうと(^_^;
稀見:同人誌の本場は日本だろうと!!(笑) ちなみに、日本でいう同人誌即売会、実際の本の同人誌を売り買いするようなマーケットはアメリカにはやはりありませんか?
新堂:”まったく”と言うほどないです。一応自費出版という形式はあるんですが、それがまとまった市場としては機能してないんです。
稀見:しかし、どうやら日本には、やたらでかい市場があるようだと…(^_^;
新堂:そうですね、なので思い切って日本に行ってみようと思いまして…。
稀見:いや~思い切りすぎでしょう(笑)
新堂:もちろん、アメリカでもネットだったら出来るでしょう? とは言われたんですが、やっぱり日本に行って活動した方がいいと思ったんです。なので、お金を貯めて日本へ行こうと…。
稀見:でも、そう思ってもなかなか出来ませんよ。仕事が保証されて日本に来るわけではなく、日本に来て同人誌で食べていく!という訳ですから。例えば、両親とかをどう説得されたんですか?
新堂:父親は、できる訳がない!という感じだったんですが、そう言われると逆に奮起するというか、じゃ行ってやると!(笑)
稀見:日本でも田舎から東京へ上京して一花咲かせてやる!と言うのはありますが、そのレベルの比じゃないですよ(^_^;
新堂:でも、気分的には上京と同じでした(笑)
稀見:では、日本に来てからは具体的にはどのような活動をされたんでしょうか?
新堂:まず安い部屋を探して、同人誌を作るためのパソコンを買いました。基本的には貯金を切り崩しながら暮らしつつ、最初はダウンロードサイトで販売するための原稿を描きましたね。それはまだ同人誌じゃなくて、あくまでダウンロード用のものです。でも、販売してもお金が入ってくるのって2ヶ月先なんですよね。なので、ほんともう今月の家賃が払えない、と言うところまで来てようやく入金があって助かりました(^_^;

もし、売れなかったら本当に別の仕事を探して働かないといけなかったと思います。
稀見:日本に親戚や知り合いなどはいらっしゃるんですか?
新堂:親戚はいるんですが、遠い親戚なので頼れるような感じではないですね。
稀見:いや~聞けば聞くほど、行動力と実行力をともなった成功というか、感心させられます。
新堂:「ジャパニーズ・ドリーム」ですかね?(^_^;
稀見:おっ! 「アメリカン・ドリーム」ではなく「ジャパニーズ・ドリーム」というのが嬉しいですね!! 自由の国アメリカで成功してやるぜ!という「アメリカン・ドリーム」ではなく、アメリカの方が日本で成功を夢見て海を渡るなんて、なんかこみ上げてくるもがありますよ! しかも、マンガですからね!
新堂:でもマンガといったら、やっぱり日本ですからね(^_^;
稀見:いや~その言葉は本当に嬉しいです。外国の方がマンガの国日本にやってきて、単行本を出すまで成功した例は私の知る範囲では前例はないですね、エロマンガでは…(;゚∀゚)=3

一般マンガでは、アジアや西洋人でも前例はあるんですが、少なくともアメリカ人がエロマンガ家として単行本を出したのは初めてだと思います!
新堂:いや~ラッキーだったと思います(^_^;
稀見:いや~ほんの少しはあるとは思いますが、運だけではここまで成功できませんよ! マンガ技法の取得や、その他の努力が半端じゃないです! 吸収力や成長がものすごいと思います。



■マンガに出てくる日本語しかしらなかった

稀見:やっぱり、創作とかに関して、こういう日本のマンガ、アニメなどはかなり影響がありますか?
新堂:ありますね。子供の頃から読んでましたし、だいたい日本語の読み書きを覚えたのは、マンガを読みたかったからですからね(^_^; でも、普通に日常会話に使う日本語はあまり知らなくて、マンガに出てくる日本語しかしらなかったという(笑)

でも、しゃべるのは何とかなりそうですが、「漢字」がありますから、そういう意味ではマンガは非常に勉強になったんじゃないかと!?
稀見:いや、ほんとマンガはすばらしいです!

日本のマンガには小さい頃から親しんでいたとのことですが、いわゆるアメリカンコミックの方はどうでしたか?
新堂:いや、読んでましたよ。小さい頃から高校まで…。僕は「X-Men」とか好きでした。だいたい分かれるんですよ、会社によって「マーベル」(Marvel Comics)系とか「ディーシー」(DC Comics)系とか、中学になると「イメージ」(Image Comics)系とか…。

例えば「BATMAN」(DC)


例えば「 Spawn」(イメージ)


例えば「X-MEN」(マーベル)


稀見:なるほど、日本における「ジャンプ系」「マガジン系」「サンデー系」みたいなものもあるんですね。
稀見:でも、アメリカは週刊マンガ誌はないじゃないですか?
新堂:そうですね、月刊で20Pぐらいのペラいものしか出ないですね(^_^; しかも、それが高いんです。内容も短くて、広告が半分とか…、とてもむかつきます(笑)



■本当に見よう見まねで最初は描いてました

稀見:マンガというものを初めて描いたのはいつ頃だったんですか?
新堂:キャラクターが動く形のマンガでしたら、中学か高校あたりですね。
稀見:実際にマンガを描くときに、具体的にどのような勉強をされたんですか?
新堂:いや、本当に基礎がわからなかったので、コマの順番とか、本当に見よう見まねで最初は描いてました。「マンガの描き方」のような参考書はなかったので…。最初の同人誌とかも、本当にマンガなの?と思いながら描いてましたから…。
稀見:線画をスキャンして、パソコンで仕上げていたんですよね? でも、最初はいろいろ戸惑ったんじゃないですか?
新堂:そうですね、これは商業でなんですが、たとえばマンガの「ノド」(本を広げた時の真ん中の部分)とかを全然知らなかったので、他の作家さんの生原稿とかを見せてもらって、いろいろ参考にさせていただきました。
稀見:今の制作環境は、同人はデジタル、商業はアナログという感じですか?
新堂:アナログは「ティーアイネット」さんだけですね。「コアマガジン」さんはデジタルです。コミスタで描いています。あと、同人誌はSAI(SYSTEMAX Software Development)を使ったり、フォトショップを使ったりしています。あ、でもカラーは全部デジタルです。

「コアマガジン」系はデジタル(インキュバスより)


稀見:へぇ~そんなに使い分けているんですか、凄いですね。じゃ「晒し愛」はすべてアナログだったんですね。
新堂:でも、よくデジタルっぽいとは言われます(^_^; でも、逆にデジタルで描いているときはアナログっぽく見せたくはなりますね(笑)

アナログだと身につく技術があるような気がするんです。基本我流で覚えましたね…。生原稿を実際に見せてもらったのは凄く参考になりました。
稀見:確かに、日本はマンガの描き方という情報ではいろんなものがありますが、プロの生原稿を参考に出来ることはあまりないですからね!


■アメリカ人も辞書でエロ単語とか探します

稀見:日本のマンガなどに非常に影響を受けたとのことですが、それ以外でなにか影響を受けたものなどはありますか?
新堂:やっぱりゲームですね。特にエロに関しては、TVゲームが原点かもしれませんね。エロい妄想はエロくないゲームから受けることが多いんです。たとえば本当に子供の頃に遊んだ「ドラクエ」とか…。
稀見:そういえば「ドラクエ」の同人誌出していますよね。

DQ同人誌「女ゆうしゃ一人たび」


新堂:あと、結構昔のPCのゲームで「ウルティマ」というのがあったんですが、それを遊んでエロさを感じましたね!
稀見:ウルティマでエロ妄想!!(;゚∀゚)=3 
すいません、バージョンはどのくらいですか?
新堂:5か6あたりだったかな? 初めてキャラクターグラフィックが出たのはその辺だった気が…。
稀見:そうですよね(^_^; 私がよくやっていたのは、初期の頃のドット絵(16色)あたりだったので、それでエロ妄想とかだったらスゲーと(笑)
新堂:でも、6ぐらいだと「会話」が出来るんですよ。実際にキーボードで入力する。で、キャラクターの中には「SEX」と打ち込むと実際に出来るキャラとかがいるんです。そういうのを知って「エロいな~~」と(笑)
稀見:へぇ~そんな設定があったんですか! 
でも、外国人もそういう「エロ単語」に興奮するんですか?
新堂:しますします! 辞書でエロ単語とか探します(笑) あと、神話とかオカルトとかの本でその中に出てくるエロいものを探したりしましたね(^_^;
稀見:エロそのものではなく、普通のものの中に隠れている「エロ」から妄想する、という実に健全な行動ですね!!
新堂:モロに見えるものよりちょっと見えない方がエロいと…、なのでモザイク好きですよ(笑) 
エロアニメでも無修正のものがあるじゃないですか? そういうものにかぎって性器がけっこう適当に描いてあったりして、テンションが下がります(笑)
稀見:単行本の中にも描かれていましたが、「日本はエロに寛容な国」という感想がありましたが、それはどのような部分で感じましたか?

「日本はエロに寛容」しかし、規制の波が徐々に…(; T_T)


新堂:エロ表現に関して、モザイクや修正はありますが、プレイの内容に関してはあまり規制がないじゃないですか? アメリカだったら若く見えるキャラクター、もしくは実際には若くないキャラでも設定が若いと、もうそういうのを描くのはダメ!ってなるんです。獣姦もダメですね。友達のアメリカ人とかも本当にロリがダメで「ロリなんて死ねばいいのに!」とか言ってますしね(笑) でも、表現する分には日本では大丈夫だと!

あと、思うのが「ゲイ」でも、特にマンガに描いても全然問題ないですからね。
稀見:それは、私もよく聞くんですが、日本人は「ゲイ」の人に対して、比較的寛容だって。ゴールデンタイムのTVにあんなにゲイが出てくる国はあまりないと(^_^; 感覚的にはいろんな人種がいるアメリカの方が、そういう事に寛大かと思っていたので、意外でした。
新堂:アメリカの方がそういう事には厳しい感じはしますね。

で、日本は描くことにおいては”誰も傷つけているわけではない”から、そういうエロ表現にはとても寛容だと思いましたね。


■いきなり1000部刷りました(^_^;

稀見:絵柄で影響を受けた作家さんはいますか?
新堂:子供の頃模写したというので、麻宮騎亜の「サイレントメビウス」とかありました。あと、藤島浩介の「逮捕しちゃうぞ」「ああっ女神さまっ」とかですね。
自分でも疑問に思うんですけど、そういう有名な作家の方には、たとえば「小畑健のマンガ」という風に、敬称(小畑健先生、小畑健さん)とか言えないんです。気が引けるというか、逆になれなれしい感じがして…。織田信長さん、と言わないように…(^_^;
稀見:もう「偉人」なんですね! そういう有名な作家さんは。

では、今のマンガ家さんで影響を受けた作家さんはいますか?
新堂:「武田弘光先生」ですね。
(武田先生も偉人だと思いますが、ここはあえて先生と呼びます)
いろいろ吸収したい作家さんです。

「ツンデロ」(著:武田弘光)


稀見:いや、十分吸収できてますよ!!ヽ(*°ω°)ノ
新堂:武田先生には一度コミケでお会いしたんですが、めちゃくちゃ緊張しました(^_^;
あと、同人で描いている「朝凪さん」という方がいるんですが、ものすごく絵が好きでいろいろ吸収させていただいています!

「UnderCover WORKING」(著:朝凪)


稀見:コミケに初めて参加されたのはいつ頃なんですか?
新堂:そうですね、初めて同人誌を描いたときなので2006年の夏コミですね。
稀見:これも聞きたかったんですが、同人誌を制作する方法というのは、どうやって知ったんですか? こういう紙の印刷の同人誌で…。日本人でも結構面倒な事だと思うんですよ(^_^;
新堂:手探りでした…(^_^; 
初参加する1つ前のコミケに行ったと時買った同人誌の奥付を見て、こういう印刷所があるんだというのを知ったんです。その印刷所さんをネットとかで調べたら、同人誌の作り方のような解説ページが載っていたんです、それを読んで手探りで作ったという…。
稀見:作り方はそこで最低限学べると思うんですが、だぶん何部刷ればいいかというのは悩んだんじゃないですか?
新堂:本当に悩みました。いきなり1000部刷りました(^_^; 最初は書店に委託する方法も知らなかったので、コミケ会場にいきなり全部送ったんですよ。そしたら、もう段ボールの山ができていて…(笑)

段ボールにして5箱ぐらいでした。周りのサークルはみんな1箱とかだったので、もうどうしようかと(^_^; で、実際売れたのが70部ぐらいだったんです。いや、本当に何をやっていたんだろうと…。
稀見:いや~そういうのはやってみないとわかりませんからね(^_^; 

私はてっきり、日本人のしかもそういうのに詳しい友達とかがいて、サポートしてもらってやっていたのかと思っていました。まさか、一人でそこまでがんばってやっていたとは思いませんでした。ホント、なかなかできる事じゃないですよ!!


■本当に日本語はエロい言語だと思います

稀見:日本語でマンガを描くときに気をつけている点などはありますか? 擬音とか?
新堂:日本語って、擬音とかあえぎ声とか、わけわからない音を表現するには適している言語だと思うんですよ。なので、英語に訳したりするとエロさが半減しますね!
稀見:ということは、日本語は文字自体がエロい!と…。
新堂:そうですね、本当に日本語はエロい言語だと思います(笑)
稀見:いや~それは、ものすごく嬉しい褒め言葉です! 
あ、でも少し思い出しました。私もアメリカのポルノコミックを何作か読んだことはありますが、描き文字って少ないですね。だから、全体的に静かに感じたのかも知れません。

アメリカンポルノコミック「Eros Comic」より


新堂:確かに、描き文字はないですね。日本のマンガは本当に、見たときに音が伝わってくる感覚がありますね。
稀見:でも、外国の方にそう指摘されて初めてわかることとかもあって新鮮です。
これは褒め言葉ですが、マンガだけを見ただけでは、これを描いているのが外国人という事は全くわかりませんでした。指摘されても、え本当?という感じでしたから…。
新堂:これはたまに言われるんですが、外国人というのはティーアイネットが作った設定だろうって(笑)
稀見:いや、わかります。でも、ガセ情報は確かにあって、容姿もステレオタイプ的なアメリカ人で、金髪で鼻が高くて目が青い外人らしい…という(笑)
新堂:それはそれで面白いですね。でもそういう面ではちょっと期待はずれというか、申し訳ないですね(^_^;

友人の作家によく言われるんですが、アメリカを舞台にしたマンガを描けばいいのにって。でも、あまりにも身近なんで気が引けちゃうんですよね(^_^;
稀見:でも凄いのが、日本の高校生活を経験したことないのに、高校を舞台にしたマンガをしっかり描かれているじゃないですか!
新堂:全部アニメとマンガからの知識です。
稀見:大丈夫です、しっかり描けていますよ! 私たちだって生徒会が何をしているかはよくわかっていません(笑)


■創作の秘密…

稀見:先生の創作の秘密に関してなんですが、基本的にどのような行程で作品を完成させるんですか?
新堂:まず、ネームはパソコンで描いています。液タブでささっと描いて、それをプリンアウトして見てますね。こんな感じです…。

「晒し愛」のネーム


稀見:おお~凄い描き込んでいますね!
新堂:できれば表情がわかるようには描きたいと思っているんです。この段階でかなりタイムロスしてるんじゃないかとは思うんですけどね(^_^; 逆にこの段階で描き過ぎちゃうと柔軟性を失ってしまうんじゃないかと思うこともありますね。このネームを担当さんに見せてアドバイスをもらったりしています。で、OKが出たらこれを原稿用紙に描き始めるという…。
稀見:ネーム自体を描くのはどのくらい時間をかけるんですか?
新堂:結構時間かかりますね、だいたい5日ぐらいですね。
稀見:いや、それ結構早いほうですよ。なにせ、ページ数多いですからね…、だいたいいつも36Pぐらいですもんね。
新堂:で、下書きにまた5日、ペン入れに1週間、最近じゃトーンは3日ぐらいですね(^_^; 
本当は1週間ぐらいほしいです!
稀見:ストーリーを考える上で、どういうところを切り口にしているというか、ヒントにしているんでしょうか?
新堂:やっぱり、いろいろ読んだ作品とかの中から、こうしたらもっと面白くなるとか、自分だったらこうするという部分を手がかりに話を考えることが多いですね。
稀見:じゃ、今回「MUJIN」で描いているTSものなんかは?

「MUJIN」で好評連載中?「女の子になって」


新堂:個人的なサイトで見たマンガなどを参考にして、自分だったらこうしたいな~という部分から考えましたね。


■続き(完全版)は同人誌で!

割愛した記事や続きは、同人誌「エロマンガノゲンバ Vol.4」に収録されています。新堂先生のもっとコアでとてもブログでは話せないお話は是非同人誌で!( ^_^)/

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
  • Benny's
  • 新堂エル
その他の現場!
  • LOファン座談会
  • ゴージャス師走ナイト
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな

今回のインタビューは初めての、先生の仕事場でのインタビューになったので、本当に貴重な資料や、先生の仕事場などを直に拝見でき貴重な体験が出来ました。実際にマンガを描いたり作業をしている場所を直接見る事はなかなか出来ないので、記事中にはあまりかけませんが、プライベートな事までいろいろ聞いてしまいました(笑)

実際に仕事をしている机からなどからは、「ここから作品が発信されていくんだな〜」というオーラを感じられ、そんな場所を取材できもう感動ものでしたよ!!ヽ(*°ω°)ノ



インタビューのあとは、アキバに繰り出して、みんなで打ち上げ。盛り上がりすぎて、帰れなくなり、そのまま大先生のお家で朝まで飲み明かすという、サプライズコースになってしまいました。関係者の皆様も、本当にご苦労さまでした〜( ^_^)/


■既刊本のお知らせ

以下のバックナンバーを委託中です。表紙をクリックしますと、内容が表示されますよ!(在庫は相変わらず少ないので、お早めに〜)

エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 師走の翁
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  • 岡田コウ
その他の現場!
  • エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
  • 携帯エロマンガの現場
  • 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.2
2009年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 月野定規
  • 紺野あずれ
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その他の現場!
  • 図書館の現場(国会図書館、米沢嘉博記念図書館)
  • イベントの現場(三峯徹、貧困問題)
  • 座談会(米倉けんご大好き女子座談会)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.1
2009年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • ゴージャス宝田
  • RaTe
  • みたくるみ
  • URAN
その他の現場!
  • マンガ制作の現場(みたくるみ、URAN)
  • 表現の現場(規制問題)
  • 販売の現場(漫画王倶楽部)
現在絶版中です。今のところ再版の予定はありません。

【インタビュー関連リンク】
 
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