【祝】ペンギンクラブ山賊版 300号への...
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コミケ85 委託情報&寄稿情報

2013
フクダーダ先生 インタビュー
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フクダーダ先生とは、この「エロマンガノゲンバ」シリーズがスタートした直後からのお付き合いだ。熱心な先生ファンの方なら気づいているかもしれないが、実は「エロマンガノゲンバ Vol.3」の企画コーナー「エロ同人を国会図書館に納本しに行くぞ!」にゲストとして参加されているのだ。したがって、実質2回目の登場となるわけだが、正式なインタビューとしてはもちろん初めてになる。

コミケなどでご挨拶するときも「インタビューされたいな〜♪」「いあ〜是非お願いしますよ!( ´ ▽ ` )ノ」と、よく話をする間柄なので、逆に正式なインタビューのオファーをするタイミングを失うというか、照れと甘えが生じ、ここまで延び延びになってしまった。先生ゴメンなさい(^_^; いや〜よく話をする先生ほどオファーの時に緊張してしまう(笑)

今回、フクダーダ先生のインタビューにあたっては、フクダーダ先生のリクエストで、コミケではいつも壁の隣同士とまさに双璧の「月野定規先生」にも同席して頂いた。大作家2人を前にしてのインタビューは、いつもより増して緊張するが、どんな面白いお話が聞けるのかという高揚感も同様に感じていた。



ゲストプロフィール
フクダーダ
「メガストアH 2004年6月号」(コアマガジン)「亜希ちゃんとたーくんとスクーズ水着」にて、商業デビュー。たわわに垂れる魅力的な巨乳が武器で「おっぱいマスター」の称号を得る押しも押されぬ人気作家。現在KADOKAWA「ヤングエース」にて「許嫁協定」を連載中。大の西武ライオンズファン。
 (HP) (twitter)


■失業保険で何とか食いつないでいたんです

稀見:今日はお忙しい所本当にありがとうございます。そして、インタビューするすると言いつつ、こんなにお待たせしてしまい大変申し訳ありませんでした<(_ _)>

「いや~いつでも大丈夫ですよ!」という感じで待って頂けるとつい甘えてしまって(^_^;
ダーダ:いえいえ、よろしくお願いいたします。
稀見:今日は、フクダーダ先生のたっての希望?で、インタビュー見届け人として、月野定規先生にも来ていただきました。「エロマンガノゲンバ Vol.2」の時はお世話になりました。今日はよろしくお願いいたします。もう3年も前になります、早いですね~。
月野:あ~そんなになりますか? 
よろしくお願いいたします。

ゲストプロフィール
月野定規(つきのじょうぎ)
多くの作家に影響を与えて、今の成年マンガ界を牽引する人気作家。現在は主にワニマガジン社の「COMIC X-EROS」にて活躍中。「エロマンガノゲンバ Vol.2」にも登場。新刊「残念王子と毒舌メイド」(コアマガジン)絶賛発売中!
ダーダ:貴重な時間を割いていただいて、本当にありがとうございます。
稀見:それではデフォルトの質問で、デビューのきっかけですね。

同人からある程度連動しているとは思いますので、そのあたりをお伺いさせていただけますか?
ダーダ:え~と、僕がデビューしたのは、結構遅いんですよね。コアマガジンのメガストアHに載せてもらったときに31歳だったので…。(商業雑誌デビューはメガストアH 2004年6月号)

ちょうど10年ぐらい前になりますね。その頃は派遣社員をしつつ、同人活動もしていまして、その頃の作品を見て声をかけてもらったのが、僕の今の担当さんになります。
稀見:じゃ、本当に最初からM宮さんが担当さんだったんですね。(M宮さん:現在の担当さん)
(※その後M宮さんが角川へ転職し、現在連載中の「許嫁協定」でもコンビで描かれています)

商業雑誌デビューは「メガストアH」ですが、同人誌の再録やアンソロの描き下ろしも何点か描かれていましたよね? でも、その頃は自分の天職という感じではなかった?

「妹嬲り」(発行:宙出版)


収録作品「ツインリンク ま…ゆ…み」


ダーダ:そうですね。今もそうなんですけど、完全に惰性ですね。今も惰性が続いているだけというか…。メールをいただいたのがM宮さんだったんですが、そのメールをいただいた日のことはよく覚えています。

当時派遣社員をしていたと言いましたけど、派遣ってある日突然首を切られる宿命で、自分も御多分に漏れず契約を打ち切られたんですが、そこそこちゃんとしていたところだったので失業保険が出たんです。で、その失業保険で何とか食いつないでいたんです。でも、いよいよ切れそうになる頃、支給をもらいに行くじゃないですか…。
稀見:あ~わかります、ハローワークに行くんですよね。私も一時期行ってましたからわかります(^_^;
ダーダ:ハローワークにいちいち申請しに行かないと貰えないですからね。で、やばいな~と焦りながら何かしないとと思って、ぷら~っと秋葉原に行って、エロマンガ雑誌を買ったんですよ。そういう雑誌にはだいたい「新人募集」の広告があるじゃないですか? そこに応募したら引っかかるんじゃないかと思って。

それで家に帰ったら、M宮さんからメールが来てたんです。
稀見:なんと、まるで見ていたかのように!(;゚∀゚)=3
ダーダ:これは逃すわけにはいかないと思って、もうそこからはトントンでしたね。
メールいただいてから2ヶ月後ぐらいには載せてもらっていました。
稀見:そんなにタイミングよく繋がる事ってあるんですね~。
先生は、派遣のお仕事と同人誌を平行されていたわけですが、その時は特にマンガ家を目指していたわけではなかったんですか?
ダーダ:そういうつもりもなく、同人作家としても島中の真ん中でした。
稀見:私はもう壁、もしくはシャッター前のフクダーダ先生しか知らないんですが(;゚∀゚)=3
逆に、島中の先生を全く想像できないです!
ダーダ:最初はさっぱりでしたよ。その状態は、商業誌、メガストアHで描かせていただいてからもしばらくはそうでした。具体的にグーンと伸び始めたのが、「舞-HiME」の同人誌を出し始めてからぐらいですかね? それと、その直前だったか直後だったかに出た初単行本と合わせて、相乗効果で伸びた感じですね。

『舞-HiME』同人誌「ヒメオトメ」


稀見:いや~先生が島中で、ぽつんと座っている光景が全く想像できません(^_^;
ダーダ:いや、島中も島中ですよ! 
最初は15冊くらいしか売れませんでした(笑)
月野:同じ同じ(笑)
ダーダ:え、月野先生も!?
月野:俺、400部刷って15冊しか売れなかった(^_^;
ダーダ:さすがにそこまでは行きませんでしたが、200部でしたね。カラー表紙の部数で行くと最低ラインの数だったので。で、15冊しか売れなくて、残りは悲しい運命をたどりました…。
稀見:今やシャッター前の大手サークルであるフクダーダ先生でもそんな時代があったとは…(;゚∀゚)=3
ダーダ:いや、ありましたよ~。
どんなに上手くても、ここでこの同人誌を売っているという情報が存在しないじゃないですか? 知名度がないので。だからどんなに上手くてエロかったとしても最初からどかーんと売れることはまずないんじゃないですかね?
稀見:どんな大作家さんでも、そういう時代があったという事ですよね。新堂エル先生も、最初1000部刷って70部だったらしいですからね。それでも、結構健闘しているように感じます(^_^;
ダーダ:でも、そういう辛い経験をバネに皆さん頑張るんですよね。 
僕の場合「売ってやろう!」と思い始めたのは、商業と同人を並行してやり始めた頃ですかね。 それまでは割と眺めて留まっていた感じでした。
稀見:そもそも同人を描き始めたのはいつ頃で、どういうきっかけだったんですか?
ダーダ:僕は同人を描き始めたのも遅かったですね。そもそもマンガを描き始めたのも25歳の頃です。
稀見:確かに遅い方かもしれません。
ダーダ:その頃は普通に大学を卒業してバイトをしていました。就職活動は途中で放り投げました。
稀見:え?(;゚∀゚)=3 就職活動自体しなかったんですか?
ダーダ:しませんでした。一応内定はもらっていたんですが、行く気がしなかったので…。
月野:内定もらっているのに? 酷い話だな~(笑)
ダーダ:いや~不況の時代に酷い話です…。バカ息子も良いところです。親にはさすがに「内定」のことは言えなくて、知られてしまったら行かないわけにもいかないので…。なので黙ってて、申し訳ないけど親のスネをかじらせて…と。

で、バイトに行ってたんです。当時は秋葉原でパソコンを売ったりしてたんですが途中からサポートもやっていました。そうすると必然的にパソコンに詳しくなっていくじゃないですか。で、結果的に寄せ集めマシンみたいのを貰いましていじってましたね。で、その最初に貰ったパソコンがMactintoshだったんですよ。だからこだわりというのはなくて、最初に触って慣れているからという理由で今でもMacを使っています。

で、バイトしているときの友人がどちらかというとオタク寄りの人間で、フォトショップの使い方を教えてもらったりしてマンガを描いたのが最初ですね。
稀見:え、じゃ、初マンガはいきなりフルデジタル?!
ダーダ:いや、フルではないです。カラーの着色からなので、アナログの原稿、Gペンとかで描いたものをスキャンしてからという感じですね。当時はまだまともなタブレットとかなかったですから。本当に最初はイラストの着色から入って、だんだんマンガを描いていったという感じです。
稀見:やっぱりいいソフトがあると描きたくなりますよね。当時はフォトショと言えばMacでしたからね。バイト仲間に教えてもらって絵を描き始め、そして同人誌という流れだったんですね。でも、実際の所当時の先生の「オタク気質」という部分はどういう感じだったんですか?
ダーダ:オタク気質で言うとマンガ寄りと言うよりは「ゲーム気質」でしたね。ゲームばっかりやってました。アホみたいにファイナルファンタジーVをやってましたね。スーパーファミコンの頃でした。
稀見:秋葉は当時はオタクマンガ文化よりは、まだゲームパソコン寄りの時代でしたよね? 
だったら、環境的にはいいところだったかもしれませんね。
ダーダ:実は大学卒業する前から、秋葉原ではバイトをしていたんです。そう考えると、バイトとゲームばっかりやっている日々でしたね。
稀見:初めてのコミケ参加は?
ダーダ:23歳頃ですね。その時はサークル参加ではなく、一般参加ですが。人が多くてしかも夏だったので参りましたね。で、サークル参加もしたいとは思ってたんですが、最初は落ちまくるじゃないですか? 2回に1回、下手をすれば3回に1回ぐらいしか受からなくて…。

じゃ、中規模なイベントに出ようと思って、当時はまだあった「コミックレヴォリューション」にも応募して、そっちも受かったり受からなかったりで、2回に1回ぐらいのペースで参加するようになりましたね。商業で描くようになってからは落ちなくなりましたけど…。
稀見:バイトしつつ、絵を描き始めて、コミケに参加し始めてと進んできたわけですが、その頃は先生はどういう自分の将来像を見ていたんですか?
ダーダ:まったく見えてなかったですね。
そういうのって30歳を超えないとダメですね、焦らないので…。
稀見:30歳を目の前にして焦り始めるという話はよく聞きます(^_^;
ダーダ:マズいな…というのは20代後半あたりから頭の隅にはあるんですが、親元で寝るところと食べるものが保証されてると、実感としては全然なくて。それが30代に入ると一気に現実が押し寄せて来るんですよね。
それで、自分ができる選択肢の中で手に職というのは言うのはおかしいですが、こなせそうだったのがマンガだったんです。イラストだけ描いていても、それだけで暮らしていけるレベルには到底達せないだろうという気はしていたので…。
ダーダ:で、もちろんマンガを下に見るわけではないですが、イラストよりは絵の比重が軽くて済むと思ったので、偉そうな言い方ですが「自分にもできちゃうかも?」って思ったんです。舐めくさってますよね。
月野:何にも知らないヤツにありがちな…。
ダーダ:まさにそうなんですけど、でもスタートとしては自分には描けませんよ~と諦めるよりはよかったんです。実際にペンを持って描き始めるという一つのハードルは越えられたわけで、そこは大きかったと思います。
稀見:同人のジャンルなどは、基本「エロ」が中心だったんですか?
ダーダ:そうですね。本当の最初は違ったんですが、もう次からはエロでしたね。
稀見:ほぼ最初からエロ方面で、マンガ家として目指していた方向も、成人向けだったと。
ダーダ:秋葉原で買った本も、MUJINとかメガストアとかの書店売りの平綴じの本ばかりでしたね、めぼしいのを3、4冊買った記憶があります。中綴じのコンビニ売りではなかったです。
で、買ったのは「メガストア」でしたが「メガストアH」のM宮さんからメールが来て、次の週には高田馬場(※コアマガジン編集部がある街)に行ってましたね。

もう最初の打ち合わせから、こっちはお金が欲しかったので原稿料を聞いて(笑)、帰ってきて3日後にはプロットを3つぐらい提出していたと思います。で、一番マンガにしやすかったデビュー作の「亜希ちゃんとたーくんとスクール水着」でした。
稀見:その号がこれですね。

「メガストアH 2004年6月号」(コアマガジン)


デビュー作の「亜希ちゃんとたーくんとスクール水着」


ダーダ:うわ~見たくねぇ…。
稀見:でも、じゅうぶんプロで通用する画力だと思いますよ。
ダーダ:や、ダメでしょう…、今現在も駄目だと思ってますし…。
稀見:月野先生は、フクダーダ先生のデビュー作を見てどう思われましたか?
月野:着実な進化を遂げているなと…(^_^; 今に繋がる原点というか、もうこの時点で揃ってますね。
ダーダ:ありがとうございます。
稀見:デビュー作から先生の基本となる画風は変わってないとは思います。
ダーダ:そうですね、芯の部分は変わっていないと思います。パーツの部分を微調整して、今の絵になっていったんでしょうね。それと、だいぶ後のことになるんですが、アマ○ミのアンソロに参加させてもらったのが凄く大きかったです。あれで色んなヒロインを描かせてもらって、目の形の引き出しが増えたんです。それまではタレ目かツリ目のどっちかくらいしか描けませんでしたから。それだけでなくアマ○ミに関わらせてもらったのは良いことずくめで感謝してもしきれないです。

メガストアHでデビューした訳ですが、結果的に一番良い雑誌に拾っていただけたと思いますね。ほんと、運がよかったと思います。メガストア本誌には、もうその頃には月野先生、竹村雪秀先生がいて、鬼ノ仁先生がいて凄いメンバーだったので、「あっちに行きて~」という感じで描いてましたね。
月野:あ、そうだったの?(笑)
ダーダ:「メガストアH」は、ある意味『実験場』だったんですよね。だから自由度は凄く高かったんですよ。
稀見:そうなんですよね、いい意味でいろんな事を試せる実験誌でもあったんですよ。去年のコアマガジンエロマンガ30周年記念号(※メガストア、メガストアH、HotMilkの合同3誌)で、コアマガジン(白夜書房を含む)の簡単な年表の特集を書かせていただいたんです。

「メガストアH 2013年1月号」(コアマガジン)


そこでメガストアHの記事を書いたときに、元編集長とかにいろいろ聞いたら、そういう位置の雑誌だったという話になりました。あの時に、メガストアHを代表する作家という事でフクダーダ先生にコメントとかも依頼させていただきましたしね(^_^;
ダーダ:ありがとうございます。ほんと僕は運だけでここまできた人間なので…。
稀見:著名な作家さんほど「運」がよかったって言いますよ!(*゚▽゚)ノ
ダーダ:でも、ある一定の所まで行くには、やっぱり運が必要なんです。
稀見:運を少しでも上げる努力をしてるんですよ、きっと!
ダーダ:それは「カイジ」を読んでそう思いました!
でも、失業保険の切れる日にメールをいただき、そのままデビューとなりましたけど、「カイジ」と違って危機感はなかったですね。甘っちょろいですけど、まだ親元にいたので、食住は保証されていましたから…。
稀見:しかも、コアマガジンは原稿料の支払いも速いですからね(笑)
本当に、渡りに船という感じではありましたね…。


■サークル名の由来は、友達の会社の名前です

稀見:ペンネームの由来なんですけど、これはもうそのままですよね? 
本名の福田から来ているという…。あとは、イントネーション?
ダーダ:そうですね、一発で覚えて貰えるように、わかりやすいという部分が大きいですね。その頃僕が好きだったマンガが「ボボボーボ・ボーボボ」(著:澤井啓夫)だったんですよ。最初は「フクダーダ・ダーダダ」にしてたんですよ(笑) 

「ボボボーボ・ボーボボ」(著:澤井啓夫)


で、後ろはいらないから、そのまま「フクダーダ」にしちゃえ! これでいいかって。こんな所まで来るとは思ってませんでしたけど(笑)
稀見:本名と影響されたマンガの融合で、わかり易いものをという流れですね。確かにこれは覚えやすいし忘れないですよ!
ダーダ:でもこのペンネームのおかげで得したことがいっぱいあるんですよね。
稀見:それはどんな事ですか!?
ダーダ:やっぱり、憶えてもらいやすいという点が大きいですね。
ツイッターとかもそうですが、いろんな人と知り合いになる事ができました。特にオタク寄りではありますけど、マンガではない業界の人とかですね。
稀見:そこで気になっていることが…。ペンネームは比較的わかり易いすいというか、想像がついたんですが。サークル名の方ですね…。「ケンソウオガワ」というサークル名で現在活動されているじゃないですか? でも、この名前の由来が全く想像が付かないんですが?(^_^;
ダーダ:サークル名の由来は、友達の会社の名前です!!
稀見:え!?(;゚∀゚)=3 な、なんで?
ダーダ:建築塗装の小川という会社名から来てるんです(笑) 

サークル名も、他と被らないで覚えてもらいやすいものって思って付けたんです。昔、描いてはいなかったけど売り子とかの手伝いをしてくれていた友達が継いだ会社の名前が「建築塗装の小川」だったんです。最初は建築塗装の「建装」じゃそのままなので、漢字を変えて「喧騒小川」だったんですが、サークルの申し込みで漢字を書くのが面倒になって「ケンソウオガワ」というカタカナにしたんです!
稀見:なんと、それは全く予想できませんよ~(笑)
ダーダ:そうですよね~。最初はサークル名の方が本名だと思われて「小川さん」と呼ばれたことがよくありました(笑)
稀見:いや~~サークル名の謎がようやく解決して、もの凄く腑に落ちました(笑)


■人型のロボットが動くアニメは血がたぎります!!

稀見:影響を受けた作品、作家さんなどを教えていただけますか?
ダーダ:エロじゃなくてもいいんですよね? だとしたら、僕は完全に富野信者ですね!
稀見:ガンダムの富野由悠季監督ですね! 作品で言うと?
ダーダ:やっぱり最初にガンダムを観てた時はクソガキだったんでドンパチの部分しか見えてなかったんですが、それでも曲がりなりに子供心に一番印象に残っているのが「聖戦士ダンバイン」ですね。
「みんな死んじゃうんだ~」って…。

「聖戦士ダンバイン」(制作:日本サンライズ)


稀見:まさにトミノイズムですね。
ダーダ:でも、その当時は監督が誰かなんて考えたこともなかったんですけど、ザブングル、ダンバイン、エルガイムって毎年作ってたじゃないですか、だからまさか同じ人がずっと監督をしていたとは知らないで観ていて、富野監督が作っていたと知ったのは高校から大学に入った頃じゃないですかね?
同じ人が作ってたのかよ!って。そしたらその人が作った物が気になって仕方なくて、小説版を片っ端から漁っていきました。

「逆襲のシャア・ベルトーチカチルドレン」でもう全身に稲妻が走るくらい感動したんですけど、そのあと「閃光のハサウェイ」に手を出したら大変な目に遭いました(笑)
あれは酷いお話でした…(笑)

「逆襲のシャア・ベルトーチカチルドレン」(角川文庫)


「閃光のハサウェイ」


稀見:終盤のカタストロフィーというかジェノサイド展開が、ある意味富野さんの真骨頂ですからね!
ダーダ:大学に入ってバイトをするようになると、そこそこお金が入ってくるじゃないですか。当時はLDですね…、そのころ富野作品を一通り揃えまして繰り返し観ていましたね! 
一番好きな作品は「逆襲のシェア」でTVシリーズだと「ファースト」か「Vガンダム」ですね。キャラクターがいいです。「Vガンダム」は富野作品であるということを意識して初めて観たガンダムになるので外せないです。

「機動戦士Vガンダム」(制作:サンライズ)


稀見:Vガンダム普通に夕方にやってましたしね~(^_^; ある意味トラウマアニメです!
ダーダ:アニメはガンダムぐらいしかその頃は観てなかったですね。本当にゲームばっかりひたすらやっていた頃だったので…。そのあたりから徐々にガンダムばっかり観ているのも何なので「ボトムズ」揃えたり「マクロス」揃えたりしていきましたね。

で、「エヴァンゲリオン」が出てくる、と。まさか自分がそのエヴァが載ってる雑誌でマンガを描くことになるとは思いませんでしたけど(笑)
稀見:ロボットアニメが多いですが、メカモノが好き?
ダーダ:人型ロボットが出てくるものにしか興味がなかったんです。人型のロボットが動くアニメは血がたぎります!! 

「許嫁協定」描いて、本当によかったな~という事がありました。角川の新年会に行って富野由悠季監督を遠巻きにでも眺められた事が本当に嬉しかったですね。「おお~神様が居る!」って。で、今年の角川の新年会でトイレに行ったんですよ。そしたら隣に神様がいて、それだけで嬉しくて、ああ今日来た甲斐があったなと。
稀見:そこで何か話しかけられなかったんですか? いや、確かに難しい場所ではありますが(笑)
ダーダ:いや~かけられませんでしたね。めちゃくちゃ説教されるかもしれませんので…や、されたかったんですけど(笑)

絵の話になりますが、小さい頃から落書き程度に絵は描いてはいたんですけど、人物じゃなくてザク描いたりグフ描いてたりしてましたね。人物は全然描いていませんでした。でも、さっきも言いましたがパソコンで絵を描き始めたらやっぱりメカも描いてみようと思うじゃないですか?

で、描いてみたんですが、その時に俺には立体的な物体を描く素養がない!という事に気づいたんです。でも、人間なら何とか誤魔化しながらでも描けると…。なので、マンガを描き始めてからはキャラを描く方になりましたね。でも、突き詰めるとキャラを描くときにも立体把握能力はやっぱり必要なんですけどね。
稀見:先生にとって、富野作品を含め、ロボットアニメという存在は大きかったという事ですね。
ダーダ:と言っても「どこに活かされているの?」と聞かれたら、直接は活かされてはいませんけどね。
稀見:ま~ロボットが活躍したり、最後にみんな死んじゃうエロマンガは今はあまりありませんからね(笑)
では、もう少し実利的というか、エロマンガを描く上で影響を受けた、参考にした作品、作家さんなどはいらっしゃいますか?
ダーダ:メガストアだと、もちろん月野先生、だいぶ前になりますけど、かるま龍狼先生、あとこの前少しお話しさせていただいた西安先生ですかね…。絵は西安先生は凄く参考にしました。ストーリーだとすえひろがり先生、あとは月野先生の武器には衝撃を受けましたね…。

褒め言葉として受け取って欲しいんですが(笑)月野先生って凄く「おもしろ単語(ワード)」を使うじゃないですか、凄い武器です。子宮を溶かすっ!とか、身体が開いちゃうっ!とかそれまで見たことなかったんで。こんな飛び道具持ってる人エロマンガで初めて見た!というのは衝撃でしたね。

で、じゃあ僕はなにを武器にしようかなと考えたら、女の子が余りに気持ち良すぎて周りのことなんかどうでも良くなって本性丸出しでよがってたらエロいんじゃないかなって、色んな喘ぎ声出させていったらどんどんエスカレートしていっちゃって…で、僕のエロマンガは「喘ぎ芸」になりました(笑)
稀見:言葉ではなく、シチュエーションや絵でエロさを出すタイプだと思っていたけど、月野先生の影響で言葉の持つ力にも気づかされた感じですかね?
ダーダ:というより「武器」が必要なんだなと感じました。それが月野先生だと「おもしろ単語(ワード)」、僕は「喘ぎ芸」にしようと。絵的な意味でもそういう事を意識し始めて「巨乳」へとシフトして行ったんだと思います。理想としてはいろんな体型の女の子を出したいな、と思っていたんですけど、実際、巨乳をかいた回のアンケートがガーンっと上がったらしいんですよ。 で、担当さんの機嫌が凄くよくなって(笑)

そのへんからエロはやっぱりおっぱいですよ!!って、おっぱいばっかり描いていましたね。で、描いてくとだんだん本気で好きになっていくんです(笑)
稀見:やっぱり巨乳は裏切らないんですね(^_^; 
だからこそ、昔から巨乳ものが多いんですよね。でも、その分競合他者が増えるわけじゃないですか? 先生はそのあたりはどう差別化しているんでしょうか?
ダーダ:「巨乳」をジャンルで括ると範囲が広すぎて競合はしないんじゃないかと思うんですが、僕はわざと、たれ気味のおっぱいを描くようにしています!
稀見:たれ気味!(;゚∀゚)=3
ダーダ:たれ巨乳系、上向きより下向き、あと長いおっぱいですね(笑) あ~あ~垂れちゃってるよね…? あちゃ~…重力に負けてますやん…ってちょっと苦笑してしまうくらいのが好きです(笑)
稀見:あ~~なるほど、四つんばいになったときに、たわわに垂れ下がる感じですね!!(;゚∀゚)=3

この垂れ具合が魅力的!(;゚∀゚)=3


ダーダ:そういうおっぱいを描くことを心がけています!


■月野先生原稿明けでスゲーテンション高かったんですよ!

稀見:今日は月野先生にも来ていただいたので、せっかくなのでフクダーダ先生と、月野先生の馴れ初め(笑)などを教えていただけますか?
ダーダ:メガストアで描くようになって、僕の担当のM宮さんが担当している作家さんを集めて、担当関係忘年会を開いてくれるんですよ。15人ぐらいいたと思います。M宮さんは月野先生の担当ではなかったんですが、何故か月野先生が真ん中にどーんと座っていらしたんです。僕は向かいの一つ隣ぐらいに座ったんです。でも、その時は月野先生がまだあの「月野定規」だと知らなかったので、「なんか凄くしゃべっている人がいるな~」(笑)って思っていて…。

その時の事は凄く覚えていて、僕の隣が竹村雪秀先生で月野先生の隣が天野雨乃先生だったんです。「どーーーなの、最近!!!(* ̄0 ̄*)ノ口」って月野先生が天野先生の肩に腕回してぐわ~~って話しかけていて…。それが月野先生のファーストインパクトで…。
月野:完全に酔っぱらってるね(笑)
ダーダ:年末なので数日後にコミケが控えてるじゃないですか。
なので「売れるとイイネ!!!(* ̄w ̄*)ノ口」って! 
確か月野先生原稿明けでスゲーテンション高かったんですよ(笑)
月野:あ~M宮さんの忘年会、なんか天野くんに誘われていた気がする…。
ダーダ:その時にスゲー仲良くなりたいって思いました(笑)
月野:その時の事は、そもそも全く覚えてない(^_^; でも、天野くんが僕のことを「彼は酔っ払うと面白いんだよ~」と評してくれていたので、だったらそういうキャラ付けで楽しませてあげようと思っていたとは思いますね(笑)
ダーダ:M宮さん自体が、作家さんの横の繋がりを大事にして結びつけてくれる担当さんだったので、同じM宮さん担当の作家さんと仲良くなっていきましたね。草津てるにょ先生、木谷さい先生、天野雨乃先生、あとその時はいませんでしたが、同じぐらいに声をかけてもらっていた、紺野あずれ先生、てりてりお先生ですかね?
稀見:紺野あずれ先生、てりてりお先生はデビューもほぼ同じで、同期みたいな感じですよね?
ダーダ:年齢は全然違いますけど、そうですね。

デビューしてまだ最初の頃は、まだ自分の作業スタイルが全然確立してなくて、参考にならないかと思っていろんな人の仕事場を見たかったんです。で、最初の飲み会で終電なくなって帰れなくなったときに月野先生の仕事場に泊めてもらった事があったんです。
月野:ああ~そういえば1回あったね!
ダーダ:泊めてもらって、一晩中お話を聞かせてもらったんです!
月野:あった、あった! とにかく飲んで1人で帰るのが嫌で…(笑) 自分もそういう飲み会の時にしか友達と話さないので、その当時は朝まで飲もう、朝まで飲もうって誘っていた気はします。
ダーダ:めっちゃ勉強になりました!!
稀見:あ~それは貴重な経験です! その時にお仕事場を見せてもらったんですね?
ダーダ:でも、環境的には僕とそんなに変わらない感じでした。でも、月野先生はアシスタントがいたので、アシさん用の机とか環境がありましたね。自分もアシさんを使っている人の仕事場環境を知りたかったので、凄く参考になりました。


■この娘にとってSEXは飯食ったり寝るのと同程度、の方が僕はくる

稀見:先生の単行本の特徴というか、必ず最初にカラーページで登場人物の女の子の、かわいいピンナップを載せていますよね。描き下ろしで、かなり豪華な感じがしていいですよね!
ダーダ:これは1冊目の単行本の反省から来ています。 1冊目の単行本は表紙の女の子と本編に出てくる女の子が特に関係ないんですよ。それは凄く反省しました。それ以来本編に出てくる女の子しか描かないようにしました、よく考えたら当たり前ですよね。

ピンナップもそうですが、カバー下の表紙にもカラーを使って、その頃はまだそういうのがあまりなかったので、それも売りにしようと…。
稀見:単行本のために凄くたくさんカラーを描き下ろして力はいっているな~って思いますよ。
ダーダ:自分の発案ではあるんですけど、結局凄くたくさん描かされちゃいましたね。これ(注:相思相愛ノート ニサツメ)なんか「もしかしたら抱き枕にするかもしれません!」とか言われて、アホみたいな解像度で描かされましたよ~。結局でませんでしたが(笑) 
でも、B0サイズのポスターにはなりました。

「相思相愛ノート ニサツメ」巨大ピンナップ!


稀見:皆さん、おっぱい丸出しで素晴らしいです!(;゚∀゚)=3 さすが、おっぱいマスターです!
ダーダ:いろんなおっぱいが描きたいんですよね。さっきも少し触れましたが、自分の武器を持ちたいという事で、絵の上でですね…。貧乳系や妹系だと、他の作家さんとかには太刀打ちできないな~とは思っていましたし。本当はあらゆるカップのおっぱいを描きたいんですけどね! 
3冊目あたりの単行本を出した後で、たまには貧乳を…と話をしたら、担当さん露骨に嫌な顔してました(笑) 出すとしても、巨乳キャラも出すという感じにするようになりました。
稀見:先生の絵の特徴は、おっぱいではありますが、話の軸としては、可愛い女の子が主人公の周りにどんどんと集まってくる、という展開がありますね。これは、今一般で描かれている「許嫁協定」でもブレていないと思います!
ダーダ:基本的に女性上位なシチュエーションがほとんどだと思います。僕自身が、女の子に酷いことをするようなシチュエーションだと凹んできちゃうんで、まず自分がテンション上げて描くためにも、必然的にそういうシチュエーションになっていきます。あとはやっぱり一番人気が出やすいシチュ、と言うといやらしいですかね。

あと僕の場合は、最初から相手が決まっているパターンの話がほとんどですね
稀見:「許嫁協定」は一気に女の子が押し寄せてきてはいますが、今までは確かにそうですね! 
あ、確かに単行本も「相思相愛」だし(笑)
ダーダ:よく「よくそういう状態からマンガ描けるね?」って言われるんですよね~。

決まってる方があたりまえ!「相思相愛ノート ニサツメ」より


稀見:え、そうですかね?
ダーダ:ま、木谷さい先生なんですが(笑) 
木谷先生は「出会いから描かないと俺はダメだ」って言いますね。
稀見:なるほど、出会いの過程がないと話が膨らまないという感覚なんですね。
フクダーダ先生は、出会った後からはじめても問題なかった訳ですね!
ダーダ:むしろ僕は彼と彼女が劇的な出会いからSEXに入るよりも、彼と彼女の日常はSEXが当たり前、の方が興奮するんです。この娘にとってSEXは飯食ったり寝るのと同程度、の方が僕はくるんです(笑)
稀見:セックスは日常事!(;゚∀゚)=3
なんか憧れる文言です!



と!ブログではここまで(;>_<;)
絶賛連載中の「許嫁協定」の裏話、ヤバくてここでは言えない話、創作の秘話などは同人誌に完全収録だよ!!
ファンの方は、コミケで握手だ( ´ ▽ ` )ノ


常におっぱいフィギアに囲まれてのインタビュー!


もちろんサインもいただいちゃいました!



エロマンガノゲンバ Vol.9
2013年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • フクダーダ
  • 横槍メンゴ
  • 井雲くす
その他の現場!
  • 同人誌印刷の現場
  • インタビューの現場
  • 取次の現場
「COMIC ZIN」で委託中です
COMIC ZIN
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。





■既刊情報!

エロマンガノゲンバ Vol.8
2013年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 西安
  • けろりん
  • あさぎ龍
  • チンズリーナ
その他の現場!
  • 編集の現場2
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.7
2012年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • たべ・こーじ
  • クジラックス
  • サブスカ
その他の現場!
  • 編集の現場
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.6
2012年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • DISTANCE
  • エレクトさわる
  • たけのこ星人
  • 服部ミツカ
その他の現場!
  • エロマンガ女子会
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※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.5
2011年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 甘詰留太
  • 命わずか
  • ぢたま某
その他の現場!
  • トキワ荘プロジェクトに潜入!
  • 「エロチャリ」は如何にして制作されたのか?
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※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
  • Benny's
  • 新堂エル
その他の現場!
  • LOファン座談会
  • ゴージャス師走ナイト
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エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 師走の翁
  • にったじゅん
  • 岡田コウ
その他の現場!
  • エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
  • 携帯エロマンガの現場
  • 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
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【インタビュー関連リンク】
 
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