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2010
岡田コウ先生 インタビュー
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去年ブレイクし、今年最も注目されている新人ロリ作家といえば「岡田コウ」先生ではないだろうか?


初単行本の「恋するぱんつ」に2冊目の「チュー学生日記」は発売されるやいなや、破竹の勢いで版を重ねファンを拡大させている。


そんな、今最も勢いのある女流ロリ作家の「岡田コウ」先生にその創作の秘密、原動力を聞きに、早速インタビューを行ってきた。

岡田コウ先生は、本当に幼女なのだろうか?(笑)


インタビューが行われた2月中旬の秋葉原 収録場所はカラオケBOX


ゲストプロフィール
岡田コウ

「少年嗜好 夏休みスペシャル(アンソロジー)」「2006年 モエールパブリッシング)でデビュー。2009年に発売された「恋するぱんつ」で大ブレイク、一躍実力派ロリ作家として注目される。アマアマ路線からネトラレものと緩急のある作品をコンスタントに量産。某G先生の影響で本人の「幼女キャラ」が定着する。


■「あんた、ほんとに目が死んでるよ!」(笑)って言われて…

稀見:インタビューの定番ですが、デビューのきっかけなどを教えていただけますか?
岡田:同人でショタをやっていたんです。それを1年ぐらい描いていたら、ショタのアンソロをやっている出版社の方から声がかかりまして、そのままそれが商業デビューになりました。
稀見:それが、これですかね? アンソロの「少年嗜好」の(宿題)ですね。

少年嗜好 夏休みスペシャル(モエールパブリッシング)


デビュー作の「宿題」


岡田:そうです、モエールパブリッシングさんのアンソロですね。
稀見:

そもそも同人活動をしようと思ったきっかけは何だったんですか?
岡田:もともとオタクではあったんです。
オタクって「ものを描きたい!」という方と「何かを演じたい!」という方(声優とか)の2択しかないという固定観念があったんですが、自分は声優になりたかった方で、それで高校時代は演劇部に入っていました。
親にも声優になりたいって言ったんですが、親は「そんな不安定な職業じゃなくて、ちゃんと手に職をつけなさい!」って言われちゃいまして(^_^;



なので、卒業後は”しょうがなく”専門学校(看護学校)に入ったんです。でも、学校に行っているうちに、声優の方もやる気がなくなってしまって、趣味がなくなってしまったので(笑)卒業後は「それじゃ~マンガでも描こうか!」って
稀見:では、資格は取ったんですがそれを活かす方向というわけではなく、そのままマンガの方に?
岡田:一応就職はしました。ふつーの会社でしばらくOLしてましたね。
稀見:じゃ、マンガ活動は仕事と平行に行っていたんですね。マンガを描こうと思ったきっかけは何だったんですか?
岡田:看護学校の時の友人が少女マンガ好きで、いろいろとマンガを貸してくれてたんです。それまで自分はマンガよりもアニメ好きな人だったので、マンガを読んでいるうちに思い立ったように始めましたね(^_^;
稀見:絵の経験とかは多少はあったんですか?
岡田:ま~落書き程度なら小さい頃から描いてはいましたね。でも、先ほどもお話しましたけど、「オタクは声優ができなかったら『絵』しかない!」という偏った考えで(笑)
絵を描くくらいなら声優の真似事とかで遊んでいました。
稀見:最初に同人誌を描かれたときはどういうジャンルだったんですか?
岡田:最初はショタでも何でもなく、しかもエロでもないBLです。本当に手を繋ぐか繋がないか程度の軽いものでした(^_^;


一番最初の方は、ジャンルで言うとゲーム「ドラゴンクエスト」とか「ファイナルファンタジー」なんかで出していましたね。
稀見:それはコピー誌ですか?
岡田:最初はコピーでしたが、オフセットも出したりしましたね。
実家が北海道なので、最初は地元の小さいイベントに出たりしてました(^_^;
50スペースとかのレベルです!
稀見:ちいさっ!(失礼) 

って、北海道のイベントとは全然想像つきません(^_^;

関係ないですが、北海道出身の方が関東に来ると、結構家が寒い!って聞くんですが…。
岡田:あ~確かに、北海道の家は基本なんでも二重扉で、断熱的な構造はしっかりしてますからね。
でも、基本的には北海道より全然寒く無いです。北海道は二度と住みたくありません(笑)
稀見:関東に出てきて、関東はすごいな~と思ったことなどはありますか?
岡田:まずなんと言っても「交通」が便利ですね。札幌なんかは地下鉄とかも縦と横しか無かったので、縦と横以外の地域にはすごく行きづらいんですよ(^_^;


碁盤の目状でわかり易い部分はあるんですが、あくまで都市中央だけの話で、地方都市だったら車がないと生きていけません。だからイベントなんかも、車で3時間ぐらいかけて札幌に出てましたね。で、帰りが夜中の3時とか(笑)


で、たまに釧路の友達から、遊びに来ない?って言われて、5時間ぐらいかけて行くんですよ(笑)
もうそういうレベルですね、北海道は!
稀見:では、上京したのは場所で言うと、どの辺あたりだったんですか?
岡田:最初は若者の憧れ(笑)の高円寺とか阿佐ヶ谷とか中央線沿線に住んでました。吉祥寺もあこがれたんですが、家賃が高い(笑)
そのうちマンガを集中して描くようになってからは、生活のリズムが家と職場の往復のみになったので、あんまり場所を選ぶのは意味なくね?(笑)って思ったんです。
なので、今は家賃の安い郊外の方へ行きましたね(^_^;
稀見:確かに上京したての時は都会生活に憧れますが、特に家で仕事するタイプの人は、家賃の安い郊外に移住するパターンってよくありますね。
岡田:その代わり新宿とかに寄ることがなくなったので、余計な買い物をしなくなりましたね(笑)


生活のリズムは、だいたい朝4時に起きて、朝ちょろっとマンガを描いて、9時に会社、18時(定時)に終わって、家に帰ってマンガを描いて、12時頃に寝る…
ホントこの繰り返しでした。
稀見:じゃ、同人活動とOLをして、イベントにも参加しつつ、しばらくこの生活を続けていたんですね。


イベントなどに参加されていたということなんですが、それは個人だけだったんでしょうか? それとも友人とかと一緒にサークル活動みたいな事はなさっていたんでしょうか?
岡田:最初は、その時にハマっていたジャンルの友人と一緒のサークルでやっていました。なので、最初の頃はサークル名もコロコロ変わってました。いまだに一定ではないですね。
稀見:でも、個人で出すようになってからは「ものぐさ」で統一になって、最近は「おかだ亭」になりましたね?


個人になって、ジャンルが統一し始めたのが「ものぐさ」あたりという事ですね。
岡田:そうですね。もともと上京した理由はちゃんと同人活動するためだったんですが、ある日を境に全然ハマるものがなくなってしまって、同人活動自体をやめちゃっていた頃があったんです。そしたら、友人にも「あんた、ほんとに目が死んでるよ!」(笑)って言われて…(^_^;



でも、その時ちょうど友達に勧められて、無理やりビデオを見せられてコロっとハマりました!そのまま同人活動復活。その頃からは「ものぐさ」ですね。
稀見:それが「陰陽大戦記(おんみょうたいせんき)」だったんですね!

陰陽大戦記 DVD1


岡田:そうです。その他にもちょっとブームが大分終わってからですが「デジモン」とかも描きましたが、基本は「そまうけ本」ですね。ツンデレ天才10才児の総受本を1年間で17冊ぐらい出しました(笑)
稀見:最初の頃は同人誌でもエロ無しで描かれていたとの事ですが、ショタジャンルでもエロを描こうと思ったきっかけは何だったんですか?
岡田:4月にショタにはまって、5月にショタケットがあるというのを初めて知ったんです。

ショタケットで自分の好きなジャンルの本がないかいろいろ探してみたんですが、これが全くといって良いほど無いんですよ!! 


もう悔しくて、萌えがおさまらなくて、じゃあ自分で作ろうと思いたちました(笑)

同人の基本って読みたいものがなければ自分で描け!だと思うので!


あとショタケットに行ったら周りは男性だらけで、男性向けという存在を初めて知りました(^_^;


いままでコミケの3日目って何やってるのか知らなかったので、男性向けの空気というものを初めて体験しました。
稀見:なるほど、自分が読みたいキャラの本がなかったから、じゃ自分で描いてしまえと!

でも、最初はエロとかには抵抗とかはなかったですか?
岡田:いや~~ありましたよ(^_^;


2、3ページ描いただけで、キャーキャー言ってましたからね。もう一人同じキャラで同人を出していた方がいたんです。
その方が、昔バリバリの成人向けマンガを描かれていたプロ作家さんだったんですよ。で、その本を読んで「ガツン」と来るものがあって、その頃はBL感覚で描いていたので、あ~成人向けってこういうものなんだ!
と、この辺から男性向けエロマンガを勉強し始めました。で、初めて商業のエロを読んだのが「師走の翁先生」でしたね。
稀見:では、一般マンガからショタに引っ張られて、さらにエロに入っていくという流れですね。しかも、好きなキャラの本がほとんど無かったので自分で開拓すると…。
岡田:そうですね、もともと「クレヨンしんちゃん」や子供が好きだったので、ショタ要素は持っていたかもしれませんね(^_^;

岡田コウ先生の初期ショタ本「WORK」


稀見:でも、そう思って描けちゃうのがすごいですよね~
岡田:いや~~描けてないです。最初は理想と現実があまりにも違いすぎて、もう胃が痛いみたいな(笑)

今でも、日々自分との戦いです……。
稀見:でも、描く事自体は好きだったわけですよね。OLしながらも、平行してあれだけの作品を描かれていたわけですから…。
岡田:「好き」ですね~。そういうエネルギーとリビドーは今以上にあふれていたとは思いますね(^_^;
稀見:じゃ、最初はプロになるという目標があったわけでなく、OLと平行してずーっとやっていくんだな~みたいな感覚だったんですか?
岡田:はい。でも、商業のアンソロジーの依頼を受けたときは、オリジナルなんて描いた事がなかったので、本当に自分にできるの?ってすごい悩みました。


結局、なんとか2次創作の延長みたいな作品でごまかしましたが(^_^;
今だから言えるけどアンソロで描いたキャラは全部ソーマです!!(笑)





■じゃ、ロリでよくないか (゚ペ)?

稀見:ペンネームの由来を教えていただけますか?
岡田:大した理由じゃないんですが、ペンネームをつけるときに好きだったキャラの名前が「岡田」という名前だったのと、「コウ」は、何となく中性的な名前がいいな~という理由でつけたんです。


基本的に読めないような名前が好きじゃなかったので、簡単な、しかもカタカナの「コウ」にしようと!
稀見:それはいつ頃考えたんですか?
岡田:ショタを描き始めた頃ですね。それまでは、いろいろころころ変えていたんですが、そこからはこの名前です。
稀見:初期のショタを読んでいて、ジャンルが「陰陽大戦記」だったからというのもあるかもしれませんが、ショタで触手!というのは結構珍しいな~と思いましたね。
岡田:私も、ショタで触手って見た事がなかったし、じゃ見た事がないから自分で描こうって…(^_^; 
それに「陰陽大戦記」って妖怪とかが結構出てくる話なので、触手が基本的に「あり」な世界だったというのもありますよね。
稀見:で、その触手魂が認められたのか?(笑)オファーがあって描いた作品がこれですよね?

「触手!悦楽の宴」(メディアックス)


はじめてのロリもの「箱庭」


岡田:それが、初めて女の子を描いた奴です!(^_^; 

オマンコとか初めて描きました!
稀見:ここで、ようやく女の子の時代が来たわけですね。でも、ショタというジャンルの特性なのか、ショタからロリに移っても、基本的に先生の作風が一変したような感じは受けませんでした。ショタでも女装ものとかも描かれていましたから…。
岡田:女装は正直苦手でした。しかも、ちょうどその時に女装ブームが来ちゃって(笑)
アンソロジー自体が「女装」というテーマになっちゃったんです。女装は、シチュエーションの1つでしかないと思っているので、女装オンリーというのに結構抵抗がありましたね。
今だから言えますが(笑)

基本的にショタは、やはり元気な男の子が好きなもので、あれあれあれーと疑問に持つようになってしまって・・・。
「じゃ、ロリでよくないか (゜ヘ゜)?」って思って(^_^;


だからロリの話が来たらすぐに飛びつきましたね。ま、でも最初に来たのは触手でしたけどね(^_^;
稀見:ショタからロリへの移行は比較的スムースだったと…。
岡田:ただ、オマンコの描き方に慣れていなかったので、そこは最初戸惑いましたね。チンコはショタを描き始めたときにいろいろ研究したというのはあったんですが、オマンコはそういうノウハウが生かせなかったので(^_^;
稀見:で、本格ロリデビューは「オークス」さんですかね「華陵学園初等部」の。

華陵学園初等部 Vol.11


収録作品「朝は普通に起こすこと」


岡田:そうですね。ショタの頃の編集プロダクションつながりでしたけど…。
稀見:オファーとしてロリをまずは描いていく事になるんですが、この時はオファーがあって描いているうちにロリに目覚めていったのか? それとも、もともとロリというジャンルが好きだったのか? どちらだったんですか?
岡田:やっぱり好きじゃないと描けないですね。私の中で「ショタ」と「ロリ」は明確に違って、ショタは元気な子!で、ロリはおとなしい、おしとやかな子が好きです。もう口答えしないような従順な子が!!
女の子っぽいおしとやかな感じが好きですね。
稀見:確か、バカな女の子が好き!って言ってましたよね。
岡田:バカな子も好きです(笑) 
まあ、バカと言うよりは「何も知らない子」が好きですね。意識がない子という意味じゃなくて「性」に関して真っさらな子、という感じですかね?

そういう子に教えてやる!みたいなシチュエーションがいいですね(^_^;
稀見:そして、ようやくヒット出版の「ino.」で頭角を現していくという流れですね(^_^;

ヒット出版「ino.」


岡田:そのころようやく仕事を辞めたんです。商業デビューして「華陵学園初等部」までは兼業作家として描いていたんです。
稀見:で、いきなり「ino.」で1冊に2作載せてますもんね。いきなり全開ですね(笑)


でも、よく考えたら同人誌時代でも、1つのイベントで同時に3冊とか出してますよね。しかも、イベントのスパンが短いというのに。仕事しつつそのバイタリティーとかはどこから来るんですか?(^_^;
岡田:「愛」です!(笑)
稀見:すばらしいお言葉です!ヽ(*°ω°)ノ
岡田:でも、へたくそ!ってよく言われるんですよ(^_^;
で、悔しいので冬コミ前だったんですが、新刊だすのやめて、デッサンばっかりやっていた頃とかもありましたね。叩かれると、こんちくしょう見返してやると思うタイプなので(笑)
稀見:具体的にはどういう勉強を?
岡田:「人を描くのって楽しいね」というサイトがあるんですよ。あれを基礎からがーっと練習しましたね。あと、デッサンの本とかも買って練習しました。
稀見:いや~、もの凄く誠実で建設的な行動ですよ。なかなかできる事じゃないです。でも、確かに「絵が下手」と言われたら直しようはあるとは思うんですよ。オリジナリティーがないとか、ストーリーがダメ!といわれる方がきっと対応に困るとは思います。
岡田:そうなんですよ~。ストーリーがダメって言われると、自分の中の世界観を否定される感じですが、絵が下手!というのは自分でもそう思っていたし、それがコンプレックスでもあったんです。図星だったので、じゃ頑張って直そうって!
稀見:で、その絵の練習のために、3Dチンコとオマンコを購入したと(笑)

こ、これはいったい?? ハエ男?(笑)


岡田:はははは~(^_^;
いや~参考にさせていただいてます。とにかく3Dが欲しかったんです。オマンコは全体的な立体が欲しかったので…(^_^;
でも、チンコはある意味描くチンコはみんなこれになってしまうという。バリエーションがないですね(笑)
稀見:先ほども少し出ましたが、参考にされたエロマンガ家さんの1人は「師走の翁先生」ということでしたが、他には?
岡田:ショタの頃に「Benny's先生」、「井ノ本リカ子先生」をかなり参考にさせていただきました! ホントにエロい表情を描かれるな!!と感動しまして。
稀見:あああ~わかります、わかります。喘ぎ顔の、目のタレ具合と、口元あたりがホニャホニャしてるのって確かに似ていますね。

「プリティーサイズ」(著:井ノ本リカ子)より


岡田:かなり勉強させてもらっています(^_^;


でもやっぱり「師走の翁先生」は自分の中では別格です。エロマンガを描きたいんだけど、男性向けが全く未知の世界だったので「お勧めな人いない?」って友人に聞いたら「シャイニング娘。」を勧められまして…。

「師走の翁先生」のすばらしいところは、男性をしっかりと描かれている、そこが、かっこぃぃーー!と思って(^_^;



あと、さっきも少し言いましたが、オマンコの研究の時にAV見たり、エロ本を見たりしましたが、一番参考にしたのが、やはりここでも「師走の翁先生」です、大変影響を受けました。オマンコだけでなく、エロマンガそのものを師走先生の本から学んだのですが(笑)ホント、何であんなに質感が出るんだろうって…。

あのぷりっぷりの感じはいったい何なんだろうって(*´∇`*) 

しかも、オマンコの描き分けとかできてますし…。
稀見:先生のロリのパターンとして、お兄ちゃんと妹、というのが比較的多く見られますが、やはり描きやすい部分がありますか?
岡田:やっぱり一つ屋根の下!というのはいいですね。大好きです!
今まで意識をしていなかった家族をいつの間にか性的な目で見はじめてしまう……とか、両思いなのに、好きになっちゃいけないから言い出せない……とか、もう近親相姦大好き(笑)


ショタの頃も兄と弟という関係が好きだったので…。

それと、ラブラブ系も好きなんですが、強姦系も好きです。でも、ただの強姦じゃダメなんです、そこに「愛」がなければダメなんです!! 愛情が故に暴走するという理由がないとダメですね。

あと、基本間男が好きです(^_^; 
BL時代は非エロだったもので、その間男が手を出してこなかったんですが、エロになったら手を出してこないとダメだろうって事で、そういう展開になりやすいですね。そうなるとネトラレ系になっちゃうんですけど…(^_^;
稀見:そういうネトラレ系の話が、結構ファンの間でも賛否を呼んでますよね~。

作品で言うと「目が離せない」ですかね。
岡田:あれはもう入れ込みすぎちゃってページが増えて大変でした。自分としては、その時描きたいものを描いているので矛盾はちっともないのですが、読まれる方から見ると、毛色の違うものに見えちゃいますよね。




■チンコ欲しいです!! チンコで感じたいです!!

稀見:
先生の作品は非常に「エロ」に妥協がないというか、男性読者の目を常に意識して作画されているような感じがするんですが、そのことに関しては、どのように感じられていますか?
岡田:そうですね、例えばこのシーンは全身で描くべきか、ガツンとアップで描くべきかというのが、この2つで男性はどっちの方が抜けるのかな? 
と考える事はありますね。でも、今はとにかく自分との戦いですね。そしていつも思っているのが、昨日の自分を越えられるか!と、いつも考えています。そういう意味では、実はまだ読者の方々を意識する余裕が無いかもしれません(笑)

ただ、それで結果使えるようになっていってくれればいいんですが、それが自分では分からないと(^_^;
稀見:ああ~なるほど、男性作家なら自分の興奮するシチュエーションをまずは想像すればいいですが、女性の場合男性をシミュレーションするわけですからね。確かに、女性作家さんは皆さん同じ事言われます「チンコ欲しい!」って(笑)
岡田:はい、チンコ欲しいです!! チンコで感じたいです!!



女性を攻めているときの心境は自分が攻めたいことをしているのですが、それがはたして男性としての心境なのか?? という事は常に不安ではありますね。リビドー全開で描いていますが、冷静になれるのは提出してからなので「あれで本当に良かったのか」とよく一人で反省会をしています(笑)



よく男性は1枚絵で抜けるって言うじゃないですか? でも女性はマンガ(ストーリー)じゃないとダメなんです。女性の場合は流れで、こう来てこう来てこうじゃないと!盛り上がれない!みたいな…。
稀見:2冊目の単行本「チュー学生日記」では、前作とは違い、ロリはロリでも中学生という、やや年齢層をあげての作品が中心でしたが、これは新しい挑戦として描かれたんでしょうか?
岡田:いや、どちらかというとこっちの方が発端です。ショタをやっている時も若干年齢層が上の方が描きやすかったんです。で、一番葛藤する時期じゃないですか? でも、最初に描かせていただいた「華陵学園初等部」が小学生限定でしたし「恋するぱんつ」も「華陵」の続きばかりで、初めて「ino.」で自由に描かせていただいたのが「目が離せない」でした。
稀見:では、最初は小学生で描いて下さいというオファーがあったので、主に小学生が多かったけど、自分が描きたかったのは、中学生だったと…。
岡田:小学6、中学1年あたりがいいですね。
稀見:個人的には「チュー学生日記」では、おっぱいの描写が増えて、すごく前戯のバリエーションが増えたなーとは思いましたね。

単行本「チュー学生日記」(ぬくもりを3)より


岡田:おっぱいが少し膨らんだことで、おっぱいが武器になるわけなので、それは描かないと!
目に見える性感帯は攻めておかないと!



あと前戯大好きなので、前戯だけで力尽きてしまうことがありまして(笑)

挿入シーンが最終到達地点だと思って挿入してしまうと「仕事終わったー!」となることもしばしばです。なので今後は挿入後も気合い入れていかないといけません。
稀見:では、さすがに今後さらに年齢層が上がって、高校生にシフトするなんて事は?(^_^;
岡田:いや、それはないとは思います。個人的に高校生には凝り固まったイメージがあって(^_^; 
高校生=ビッチ、援助交際!みたいな偏見があって、そのイメージを中学生にまで降ろしたくはないな、とは思っています。

中学生には清純なイメージでいてほしいんです。あくまで個人的な理想ですが。なので理想が先にあるのでリアルを追うことはないです。

あと、女の子の気持ちいい描写が好きなので、ついフェラ描写をおろそかにしてしまいますね。フェラ描写は重要なんだよな~という気持ちはあるんですが、自分のなかで重要性を理解しないと入れ込んで描けないので、まだまだ修行不足ですね。



■プロットが演劇をやっていたので、形式が脚本なんです

稀見:作品を描く上で、気をつけている点、悩む所などがありましたら教えていただけますか?
岡田:「エロい」という事が描いているうちにわからなくなってくるんです。自分で描きたいものは描いているつもりなんですが、それが読者にとってエロいのか、使えるツールとして読まれているのか? という部分がいつも描いていて悩みどころですね。不安でもあるので、いつも試行錯誤していますね。あと、結構派手なコマが苦手です。
稀見:派手なコマ? 大きなコマですか?
岡田:そうです! 1Pまるまる使うようなページは苦手なんです。
稀見:今の仕事場の状態はどのような感じになっていますか?
岡田:ベランダのすぐ横に平おきの(写真参照)机を置いています。座椅子に座って仕事する感じですね。で、モニターと液タブがあります。こちらがネーム用の場所になります。

ネーム専用の机!


稀見:ネーム用??
岡田:私、ネームは地べたか外じゃないと描けないんですよ(^_^;
何でかわからないんですが、たぶん気分的な問題かもしれないとは思うんですが。
稀見:面白いですね~。 ネームと実際の作画をする作業場が違うという。 
岡田:作画をする方には、モニターやテレビ、その他いろんなものがありすぎて集中できないんです。

作画側には、液タブ、モニター2つにテレビ、ネット用のモニターにフィギアなど、結構ごちゃごちゃしています。

これが岡田コウ先生の仕事机だ!!


稀見:なるほど、ネームの時はなるべく集中しないといけないので、シンプルというか遮断された環境の方が適していて、作画に入ってしまえばその辺は気にならないという感じですね。
岡田:外でものすごく大雑把に枠組みを建てて、ネーム机でコマ割をして、最後に作画机で仕上げをするという3点作業ですね(笑)
稀見:作業の内容によって気分を変えるという意味もありそうですね(笑)
岡田:そうですね。家にいるとテレビがあったり、いろんな誘惑があるので、外でまずは流れを作る感じですかね(^_^;
稀見:そういう風に聞くと、確かにわかる気がします。やっぱり自分なりのワークフローってあるもんですよね~。
岡田:描く作業においては基本的に雑です。下書きをしないんです。
稀見:え、下書きをしないんですか? いきなり本書き?
岡田:あたりはある程度は付けますが、後はいきなりペン入れですね。というか、ペン入れを何回かするような感じです。
稀見:(_。)? そ、想像できません。 そ、それはデジタル原稿という意味ですか?
岡田:はい、今はデジタルです。最初の頃は、アナログをスキャンして残りをデジタルという感じでした。

デジタルは、もう出たらすぐに飛びつきました。

最初はフォトショップでしたが、コミスタが出たらすぐにコミスタに移行しましたね。もちろん、マンガを描き始めた頃は付けペンにスクリーントーンで描いていましたけど、とにかく切り貼り原稿なんです。ここが気に入らないと思ったら、新しいコマを描いてどんどん重ねたり、切り貼ったり、そんな感じだったので、絶対デジタルの方があってるな~って思って(^_^;
稀見:では、デジタルではもういきなりラフにペン入れみたいな描き方なんですか?
そういう方法は初めて聞きました。じゃ、デジタルに移行したらすぐにタブレットで?
岡田:いや、タブレット(液晶じゃない普通の)は使った事がないです。ワコムの液晶タブレットが出る前に、SONYのVAIOからタブレットPCというのが出ていたんですよ、直接画面にかけるタイプです(VAIO PCVA-15XSA1)。

VAIO PCVA-15XSA1


それから今の液晶タブレットまで、作業はほぼPCの画面に直描きです。いや~アナログができる人尊敬します(^_^;
稀見:マンガ制作をしてるときに、どの工程が一番楽しいですか?
岡田:プロットですかね。プロットを文章で書いている時かも…
稀見:どういう風に書かれるんですか?
岡田:持ってきたので、こんな感じです。

プロットはなんと脚本形式!


稀見:おおお! こういうプロット形式は珍しいです。
岡田:演劇をやっていたので、形式が脚本なんです。セリフがあって、ト書きがあって、という感じですね。こんなシーンが描きたい、こんな場面も、ってそういうシーンを箇条書きにとりあえず書いて、番号を振って、それをどう組み合わせるか、どう配置したら面白いか、流れがいいかという作業をしますね。

なので、登場人物がこういうセリフを言うって事は、こういうキャラクターなんだな!って固まっていくんです。なので、逆にキャラクターから作れないのは問題ないかな~とは思いますね。
稀見:作品を何ページに収めるかというのは最初に決めるんですか?
岡田:昔は決めてたんですが、最近はやってないです。そのキャラに必要なエロシーンを描きまくる、みたいな感じで描き終えるまでのページ数がわかりません(笑)

最近はページを増やしてもぜんぜん怒られないので、収めるという作業は諦めました(笑)
なので他の雑誌ではやっていけないのではないかと…(笑)



■エロマンガは「性欲」が尽きるまでがんばります!

稀見:ファンへのメッセージをお願いいたします。
岡田:エロマンガは「性欲」が尽きるまでがんばります(笑)
稀見:すばらしいです。聞くところによると、女性は30代から40代にかけてが一番性欲が強くなるらしいですから、まだまだこれからじゃないですか! 本当に期待しています。

今日は本当にありがとうございました。
岡田:ありがとうございました。

ほぼ4時間にわたるインタビューでした!



■もちろん、ネットでは決して言えないあの話題は…

というわけで「岡田コウ先生 インタビュー 完全版」は「エロマンガノゲンバ Vol.3」に収録されます。今回のインタビューレポーターゲストは、なんと「ゴージャス宝田先生」! どんなインタビューだったのか、そして岡田先生は、ゴージャス先生をどう語るのか!? この真相は是非、完全版で(笑)

■岡田コウ単行本!






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